わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

本の旅

読初(よみぞめ)

2023年1月5日 「読初や武田百合子の富士日記」 今日の季語は「読初」。『新版 今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で、「読初」を見てみました。 「恋愛小説であれ、推理小説であれ、書物を正月はじめて繙く(ひもとく)ことである…

こんな本読んだことありますか? 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』(川上和人著、新潮文庫)

2022年10月4日 鳥類学者の著者が楽しく鳥について語ってくれる本です。著者は森林総合研究所という 国の研究機関に勤めています。本書は、鳥類学とは何か、どんな鳥を研究しているのか、どうやって研究しているのか、どこで研究しているのか、など、…

こんな本読んだことありますか? 『日日是好日—「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(森下典子著、新潮文庫)

2022年9月24日 著者が大学生の頃から25年間続けてきた週1回のお茶のお稽古。その25年の経験から学んだことを、素直な文章で読者に語っている。私自身はお茶を知らない。数年前に近所の方から自宅での茶会に誘われたことがある。まだ新型コロナが…

こんな本読んだことありますか? 『語感トレーニングー日本語のセンスをみがく55題』(中村 明著、岩波新書)

2022年9月14日 誰でも「自分の日本語のセンスは大丈夫だろうか」と気になる時があります。しかし実際のところこの日本語のセンスは長年日本語と接していながらなかなか思うように磨かれるものではありません。本書のタイトルは「語感トレーニング」と…

こんな本読んだことありますか? 『セザンヌ』(アサヒグラフ別冊美術特集、朝日新聞社)

2022年9月5日 芸術の秋が近づきました。絵を描かなくても、なんとなく画集を開くだけでも楽しいものです。今日はセザンヌの画集を開きました。このアサヒグラフ別冊は1988年刊。もう今から25年も前の本で当時の定価が1,500円。100ページ…

こんな本読んだことありますか? 『NHKテキスト NHK俳句』(NHK出版)

2022年7月11日 最近俳句に興味を持ち始めた。とりあえず入門的な本やテキストから読もうとおもっている。時々NHK Eテレの日曜日朝(6:35〜7:00)の番組「NHK俳句」を見ていたので、ついでにきちんとテキストを買うことにした。2022年7月…

こんな本読んだことありますか? 『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業』(夏井いつき著、PHP研究所)

2022年6月18日 NHKのラジオ俳句番組(らじるラボ、ラボ句会)に初めて投句したこと(6月14日)をきっかけに、ついに私もこの世界に足を踏み入れることになった。俳句の世界だ。 yaswatercolor.hatenablog.com これまでは単に5・7・5の言葉のリ…

こんな本読んだことありますか? 『富士日記(上)』(武田百合子著、中公文庫)

2022年6月17日 『富士日記』をゆっくり楽しみながら読んでいる。前に読んだのはいつ頃だっただろう。今読み返すと、日記全体の雰囲気は今も忘れていないが、中身の詳細はかなり頭から消えている。作家・武田泰淳の妻として、夫、そして娘と過ごした富…

こんな本読んだことありますか? 『俳句写真集 続・四季を楽しむ』(酒井正樹著、リーブル出版)

2022年5月29日 俳句写真集というのは普段あまりお目にかからない。しかも生物学者が著したこの種の本はとても珍しいはずだ。著者の酒井正樹さんは、実は私の職場(大学)の同僚だった。若い頃から写真の腕前は大学内で評判だった。学内の写真コンクー…

『センス・オブ・ワンダー』再読

2022年5月9日 レイチェル・カーソンの書いた『センス・オブ・ワンダー』(上遠惠子訳、新潮社)が好きな人は多い。50ページ余りの小さな本で、1,2時間あれば読み終えてしまえる。 レイチェル・カーソン(1907-1964)はアメリカの女性作家で海洋生…

こんな本読んだことありますか? 『西の魔女が死んだ』(梨木香歩著、新潮文庫)

2022年4月30日 この本を読むきっかけは、『ぼんやりの時間』(辰濃和男著、岩波新書)の中で本書の紹介文に出会ったことだった。辰濃さんがアメリカの絵本作家ターシャ・テューダーの本と比べながら本書について書いている。人にはぼんやり出来る場所…

こんな本読んだことありますか? 『巨匠に学ぶ配色の基本 名画はなぜ名画なのか?』(視覚デザイン研究所)

2022年4月21日 今、私達の水彩スケッチグループの作品展を開催中です。広いギャラリーの中で離れた位置から静かに自分の描いた作品を眺めるというのは1年に1度あるかないかの貴重な時間です。他の人達の絵とも比較しながら、これでよかったのだろう…

こんな本読んだことありますか? 『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(堀川惠子著、講談社)

2022年4月12日 日清戦争以降の日本の過去の戦争を、海の輸送基地であった宇品港(広島市)とそこに関わった人々(軍人、船舶輸送関係者)の視点で捉えたノンフィクションです。ロシアのウクライナ侵攻が毎日ニュースで伝えられる中、戦争についてもう…

こんな本読んだことありますか? 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット共著、池村千秋訳、東洋経済新報社)

2022年3月11日 NHKの「ラジオビジネス英語」で聞いたリンダ・グラットンさんのインタビューに影響されて、彼女とアンドリュー・スコット氏の共著『LIFE SHIFT』の翻訳本を読んでみました。 人生100年時代を迎えて、これまでのような人生を3つのス…

こんな本読んだことありますか? 『声が聞こえる!野鳥図鑑』(音声・文 上田秀雄、写真 叶内拓哉、文一総合出版)

2022年3月6日 庭に来るメジロやヒヨドリをデジカメで撮影し、朝の散歩道で見かける小鳥たちも撮影するうちに、突然「バードウオッチング」に目覚めました。今、散歩に携行しているカメラは PanasonicのLumix DMCTX-85 という機種。光学ズーム30倍で…

こんな本読んだことありますか? 『光をえがく人』(一色さゆり著、講談社)

2022年2月24日 アートは人生にどんな意味をもつのか。そんな大げさな問いかけとは無縁な、というか、そういう問いかけが似合わない文章。しかし、人生におけるアートの意味をしみじみと読者に伝える印象的な内容です。 本書に収められている短編は5…

こんな本読んだことありますか? 『もものかんづめ』(さくらももこ著、集英社)

2022年2月15日 漫画家さくらももこさんが亡くなった時(2018年)、「えーまさか」と信じられませんでした。50歳代前半の死。亡くなる10年ぐらい前に乳がんが見つかり、それ以来気をつけておられたようです。この本は、1991年の出版で、我が家でもすぐに…

こんな本読んだことありますか? 『蜜蜂と遠雷』(恩田 陸著、幻冬舎文庫)

2022年2月9日 先月、テレビでショパン国際ピアノコンクールの番組を続けて2つ見ました。その興奮もあり、本書を読んでみました。そして文庫の上下二巻にわたる内容に圧倒されました。文章を読んでいるのに、まるで本の中からピアノの音が聞こえてきそうな…

こんな本読んだことありますか? 『バカの壁』(養老孟司著、新潮新書)

2022年2月5日 2020年12月12日付の朝日新聞に「今こそ!読みたい2000年以降のベストセラー」という特集記事がありました。読者ランキングのトップになったのが本書『バカの壁』でした。出版当時(2003年)、新書ブームを起こしたというこの本。その記事に触…

こんな本読んだことありますか? 『永沢まことの自分発見スケッチ術』(永沢まこと絵・文、草思社)

2022年1月16日 昨日の新聞の訃報欄にあった永沢まことさん死去の小さな記事。たまたま一昨日、久しぶりに彼の著書『永沢まことの自分発見スケッチ術』を見ていたので驚きました。 「イラストレーター。8日、肺炎のため死去、85歳。東京都出身。ア…

こんな本読んだことありますか? 『プーさんとであった日』(リンジー・マティック文、ソフィー・ブラッコール絵、山口文生訳、評論社)

2022年1月15日 「世界でいちばんゆうめいなクマのほんとうにあったお話」という副題のついた絵本です。表紙カバーのそでの部分に書かれた説明が、本書の内容の全てを語っています。 「世界じゅうで愛されているクマのプーさん。プーさんは、ほんとう…

短い文章を書く。そして辞書を楽しもう!

2022年1月8日 今年も健康である限り毎日ブログを書きたいです。今年特に心がけたいのは短い文章を書くこと。なるべく500字以内で文章を書くよう努めるつもりです。 500字はちょうど新聞の読者欄に投稿する際の目安になります。この字数制限内で…

こんな本読んだことありますか? 『女の一生』(伊藤比呂美著、岩波新書)

2022年1月4日 伊藤比呂美さんを知ったのは、昨年のNHK Eテレ日曜朝5時のインタビュー番組を見た時でした。1955年生れの詩人。この番組では宗教関係や福祉関係の出演者が多い中で、詩人の登場は珍しいことでした。その伊藤さんの話しっぷりやダイナミ…

こんな本読んだことありますか? 『星落ちて、なお』(澤田瞳子著、文藝春秋)

2022年1月2日 幕末から明治にかけて活躍した日本画家の河鍋暁斎(かわなべ・ぎょうさい)。その娘とよの半生記です。父暁斎は狩野派の流れをくむ人気浮世絵師。とよは父の後継者にという期待に添えないまま、自分の絵の道を歩みます。とよの腹違いの兄…

2021年私の読書ランキング

2021年12月25日 この1年間読んだ本のランキングをつけてみました。 第1位 『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ著) 東大の入学式で取り上げられました。深く考えさせられる忘れられないストーリー。 yaswatercolor.hatenablog.com 第2位 『給食…

こんな本読んだことありますか? 『「バズる文章」のつくり方』(尾藤克之著、WAVE出版)

2021年12月7日 面白いタイトルだと思います。「バズる」とは「インターネットやSNSで話題になること」だそうです。これもインターネットで知りました。本の帯には、「バズる」は投稿前に決まる! 書くのが苦手!嫌い!なすべての人へ 「文章力+ネッ…

こんな本読んだことありますか? 『緩和ケア医 がんと生きる40の言葉』(大橋洋平著、双葉社)

2021年11月26日 NHK総合テレビの9時のニュースを見ていたら大橋洋平さんの書いた本書の紹介がありました。気になったのですぐに注文。そしてすぐに読みました。内容は本の表題通りです。緩和ケア医でありながら、自らも希少がんにかかって手術、入…

こんな本読んだことありますか? 『ハルコロ(1)(2)』(石坂 啓漫画、本多勝一原作、菅野 茂監修、岩波現代文庫)

2021年11月19日 今から600年前の北海道。その当時のアイヌの人々の暮らしを漫画に描いたのが本書です。石坂 啓さんの描く漫画は、まさに少女マンガの世界で、人物があまりに美しく描写されすぎていて、私自身はあまり好きではないのですが、読み…

こんな本読んだことありますか? 『イングランド・イングランド』(ジュリアン・バーンズ著、古草秀子訳、創元ライブラリ)

2021年11月9日 朝日新聞の書評欄に本書が紹介されていたのに興味をもち読んでみました。著者ジュリアン・バーンズは1946年イギリス・レスター生れ。オクスフォード大学卒業後、オクスフォード英語辞典の編集などの仕事を経て文筆業へ。イギリスの…

こんな本読んだことありますか? 『悠久の時を旅する』(星野道夫著、クレヴィス)

2021年11月4日 岡山県立美術館で開催中の「特別展 星野道夫 悠久の時を旅する」(2021年9月28日〜11月7日)を見ました。星野さんは1952年生まれの写真家で、北極圏の野生生物や自然、人々の暮らしをテーマに発表。1996年43歳の時…