わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 『女の一生』(伊藤比呂美著、岩波新書)

2022年1月4日

 

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伊藤比呂美さんを知ったのは、昨年のNHK Eテレ日曜朝5時のインタビュー番組を見た時でした。1955年生れの詩人。この番組では宗教関係や福祉関係の出演者が多い中で、詩人の登場は珍しいことでした。その伊藤さんの話しっぷりやダイナミックな生き方に引き込まれていくうちに1時間の放送が終了。もっと彼女を知りたいと思い本書を読みました。

 

ここでは、女の一生を、少女時代から高齢時代まで、自分の経験を通して語っています。講演や新聞紙上の人生相談で寄せられた質問に直接答える形式です。高齢男性である私が読んでも、「ああ、女性ってこうなんだ」と今更ながら納得出来るような話の連続。やや赤裸々すぎると思われる著者の体験告白の中に、女の生き方の本質を見る気がしました。

 

これは著者の経験した「女の一生」なので、これが全ての女性に当てはまるとは思いませんが、それでも多くの女性の疑問や悩みに寄り添っていると思います。私にとっては最終章の老人介護の話が今の自分の立場に近いので参考になりました。

 

本書の巻末に書かれた著者の経歴も、読者にとって興味深い「女の一生」です。若い世代から高齢者まで男女を問わずご一読をおすすめします。