わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

読初(よみぞめ)

2023年1月5日

 

「読初や武田百合子富士日記

 

今日の季語は「読初」。『新版 今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で、「読初」を見てみました。

 

「恋愛小説であれ、推理小説であれ、書物を正月はじめて繙く(ひもとく)ことである。昔は読初の慣習があって、漢籍などを朗々と音読した。」

 

そう言えば高齢の母が、今日は通っているリハビリ施設で何かの本を大きな声で皆で音読した、と言っていました。まさに読初です。

 

私の読初は武田百合子著「富士日記」。昭和39年から始まる日記を読むと、最初の部分は当時高校生だった私の青春時代(受験勉強時代)と重なります。「富士日記」は何かのんびりゆったりした時に読む本です。どこでやめてもいい。完読しなくてもいい。実際、前回読んだときも(何十年も前です)途中で止めています。それでもまた惹きつけられるのは、武田百合子の文章のうまさと描写力のせいでしょうか。昭和40年代への懐かしさもあります。