わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 『蜜蜂と遠雷』(恩田 陸著、幻冬舎文庫)

2022年2月9日

 

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先月、テレビでショパン国際ピアノコンクールの番組を続けて2つ見ました。その興奮もあり、本書を読んでみました。そして文庫の上下二巻にわたる内容に圧倒されました。文章を読んでいるのに、まるで本の中からピアノの音が聞こえてきそうなそんな感覚にとらわれます。

 

国際的なピアノコンクールでしのぎを削る若いピアニスト達の物語です。第1次、第2次、第3次予選、そして本選と勝ち進むピアニストの姿が描かれます。実際、コンサートホールのコンテスト会場にいるかのような臨場感です。

 

子供の頃にピアノを習う人は多いと思います。私もそうでした。戦後間もない時代で、ピアノなど普通の家庭にはありませんでしたが、たまたま近所にピアノの先生がおられたので母に言われて習い始めました。1年ほどしか続きませんでしたが、お陰でクラシック音楽はずっと好きです。本書を読むと、そのクラシックのピアノ演奏で一流になることの難しさを改めて感じます。ピアノの天才少年、天才少女が次々に誕生する世界。厳しい実力の世界です。そんな中で、コンテスト参加者の友情やコンテストの感動的場面も多く描かれます。またピアノコンサートに行きたくなる、そんな本です。