わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 『もものかんづめ』(さくらももこ著、集英社)

2022年2月15日

 

f:id:yaswatercolor:20220215173325j:plain

 

漫画家さくらももこさんが亡くなった時(2018年)、「えーまさか」と信じられませんでした。50歳代前半の死。亡くなる10年ぐらい前に乳がんが見つかり、それ以来気をつけておられたようです。この本は、1991年の出版で、我が家でもすぐに購入しました。今回、新聞で『もものかんづめ』が久しぶりに取り上げられ、懐かしくて、家の本箱にあったのを見つけて読んでみました。内容をほとんど憶えておらず、初めて読む感覚で再読しました。

 

読む前からつい口元が緩んでくるような、不思議な本。トップの「奇跡の水虫治療」。やっぱりこの著者独特の笑い。家族の描写が面白い。そうそう、僕もこんな文章を書きたいんだよな、と思わずため息がでます。自虐で笑いを誘うというユーモアの王道をいく文章。体調不良の話が結構多くて、そうかその頃から色々悩みがあったんだと想像してしまいました。後半になると有名人になったばかりに身辺で起きる不愉快なことも話題に取り上げます。

 

正直な人です。人生、いいことばかりではなくて、悲しみも苦しみもある。それを独特のユーモアで包み込む。もっと長生きして、このコロナ禍社会を笑いで包んで欲しかったと思います。