わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

豚肉のごまがらめ煮 + レンジなすの濃厚ごまだれがけ

2021年3月27日

 

今日はすりごまのパワーでいただく一品(二品)です。どちらもNHKテキスト『きょうの料理ビギナーズ』2021年3月号を参考に作りました。

 

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まず、豚肉のごまがらめ煮です。フライパンにごま油を中火で熱し、食べやすいサイズにちぎった豚のこま切れ肉を入れ、2〜3分炒めます。次にめんつゆ(濃縮)を大さじ1(一人分)、水カップ3分の1(一人分)を加えて煮てアクをとります。すりごま(白)を大さじ1.5(一人分)を上からさっと混ぜ入れて出来上がり。

 

次にレンジなすの濃厚ごまだれがけ。なすのヘタを取り、皮を一部むいて食べやすい大きさに切ります。耐熱皿に並べて、上からごま油を全体にまぶし、ラップをして電子レンジに600W、3分半かけます。小皿に分けて、上からマヨネーズ大さじ2(一人分)、すりごま大さじ1.5(一人分)、オイスターソース、酢、ごま油をよく混ぜたものをかけて出来上がり。マヨネーズをこんなに使うのかと驚きながら作りました(実は私はマヨネーズが苦手)。

 

出来上がった二品は、食卓の上ですりごまのいい香りを漂わせていました。食べてみても予想どおりとてもおいしい! 普段は豚肉そのものの形が見える料理は「入れ歯では噛めない」と言って嫌がる母(これは嫌いなものを避ける口実です)も、今日は不思議に喜んで食べました。特になすにつけた濃厚ごまだれが気に入ったようで、豚肉もそちらのタレをつけて食べていました。

 

「ひらけゴマ」で新しい味の世界が広がったのか、あるいは「ごまかされて」食べてくれたのか、とにかくゴマの威力は絶大です。

 

作りやすさ★★★

栄養価★★★

美味しさ★★★

材料費★★★

 

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こんな本読んだことありますか? 『迷いながら生きていく』(五木寛之著、PHP研究所)

2021年3月26日

 

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私が五木寛之さんの本に初めて出会ったのは、大学の教養部時代に、当時若者の間で流行していた『青年は荒野をめざす』を読んだ時でした。確かソ連とヨーロッパを一人旅しながら成長・自立していく青年を描いた青春小説だったと思います。あれからもう50年以上が過ぎて、五木さんももう90歳に手が届く年齢に。最近は新聞の連載などで、自分の人生論を語るエッセイを時々書かれています。たまたま家の本棚に義母が買って読み終わったこの本があったので読んでみました。90歳近くまで生きて、まだこうして元気で文章を発表できることが、私としてはとてもうらやましいのですが、さて現在どんな心境になっておられるのか、興味がありました。

 

第1章「新しい世界を迷いながらゆく」の中の文章を抜粋して引用します。

「私は今年で87歳になりました。人生百年時代を予測していたとはいえ、自分自身の超高齢期という日常はまさに未知の領域です。正直言って戸惑いも不安もあります。しかし、変わりゆく体も、変化し続ける世界も、『旅をするように』観察して楽しんだり、快適であるように工夫してみよう、と考え始めています。

 私が考える『旅』とは、ガイドがいるわけでもなく、地図も羅針盤もない、途中で死を迎えることもあるという、なかなか過酷な旅です。しかし、旅する時に感じるあのワクワクした気持ちや喜びがともに在るとするならば、それもまた悪くないと思えるのです」

 

著者は若い頃から旅人の心を持ち続けて、ここまで到達し、これから更に先の人生も旅人の心持ちで生きていきたいと述べています。第1章には、各年代で生きる上での心構えのようなものが書かれています。

 

第2章「『今』を生きるために」では、『逝き方』を考えることの意味が書かれています。特に私のような高齢者が読むべき部分かもしれません。どういう形で死を迎えるにしても自然の一部でありたい、という著者の願いが書かれています。宗教(特に仏教)に深い関心を寄せている著者の生き方・考え方を反映した文章です。人間も動物も植物もバクテリアも全て地球を構成する物質の一部で、最後は皆、土や空気や水に還っていくというのは、科学的真理です。

 

第3章「孤独と幸せの両立」。ここでは人間が孤独になることを勧めています。孤独は孤立ではないと前置きして、多くの人との交流の中で、自分自身の個性と独立をしっかり保つことの重要性を述べています。

 

第4章「変わりゆく自分を楽しむ」、第5章(最終章)「日々を少しだけ楽に生きる」は、五木さんの過去のエピソードや現在の健康状態等を紹介しながら、日々楽しんで生きる上でのアドバイスを書いています。著者は「死について考えたほうがいい」と言い続けてもう何十年と経つのですが、自分自身がどこまで死に対してリアリティを持っているかとなると、少々疑問がある --- 実のところ、「死の覚悟」ができているかと言えば、はなはだあやしい、と正直に述べています。

 

五木さんはかなりの高齢なのに、日本や世界の政治・経済情勢や科学テクノロジーの進歩をきちんとフォローしながら、自分の考えを熱心に発信しているところが素晴らしいです。なお、この本はどちらかというと高齢者向けの本だと思います。

 

 

絵の中で 桜は一気に 満開に (岡山市北区足守 水彩スケッチ)

2021年3月25日

 

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今日はグループのスケッチ会なのに、朝6時に部屋の窓を開けると外はあいにくの雨。しかし、天気予報では雨は朝のうちだけで昼ごろから晴れるということなので、予定通り準備をして車で出かけました。熱心な人達9名の参加がありました。

 

今日は多少の雨でもスケッチに行きたい。皆さんががそう思っで出かけてきた理由は桜です。ここ足守にも足守川の土手にソメイヨシノの並木があります。現場に来てみるとまだチラホラ咲きでした。多分、この週末に満開でしょう。今日は朝の雨で訪れる人が少なく、スケッチには最適でした。

 

足守川と川に架かる葵橋(あおいばし)と桜の咲く土手を入れてスケッチ開始。今日も10号の大画面。描いていて気持ちがいいのですが、集合時間の12時半まで2時間半しかないので、時間との戦いでした。スケッチでは集中を切らさないのが大事です。しかし、鉛筆で下書きをしている途中で急に空腹感を覚えて、買ってきたパンをかじりながらのスケッチとなりました(パンと水を車に置き忘れていたのを思い出して、駐車場まで取りに行って15分ほどの時間のロスがありました)。通りかかる自転車の中学生たちが、皆「こんにちは!」と元気に挨拶してくれて、とてもいい気持ちになりました。

 

やがて正午を知らせるメロディーがどこからか流れ、私のスケッチも最後のサクラの花びらを描き入れる段階に。最初は鉛筆で花びらを一枚一枚描いていたのですが、どうにもそれでは時間に間に合いそうにないので、パレットの上で筆で白と赤の絵の具を混ぜてピンクを作って、サッサッサッと勢いで塗りました。ソメイヨシノは白が強いので、白だけの花びらも描き、またつぼみの赤紫色もところどころに入れます。

 

このちらほら咲きの桜のスケッチが何とか出来上がったので、道具をたたんで集合場所へ。他の参加者の皆さんの絵と並べて、講評会をしました。面白かったのは、皆さんの絵の中では桜が完全に満開だったこと。やっぱり桜は満開で描きたいんですね。中には、紅葉の名所の近水園(おみずえん)でカエデの木を桜に変えて描いた人もいました。今日描くのは何としても満開の桜。気持ちはよく分かります。

 

午後1時の解散の時間。その頃には太陽の光が眩しく、気温も上がって汗ばむほどの陽気になりました。午後も続けてスケッチする人が多く、結果としてとてもよいスケッチ日和となったと思います。

 

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今日のスケッチ

ウオーターフォード水彩紙 ホワイト 中目 10号F

鉛筆、筆ペンとホルベイン水彩絵の具

所要時間:2時間30分

 

ポテトミートグラタン

2021年3月24日

 

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今日の一品はポテトミートグラタン。まずマッシュポテトを作ります。NHKきょうの料理ビギナーズ』(2020年12月号)を参考にしました。

 

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じゃがいもの3〜4個の皮をむいて(芽もていねいに除いて)、2〜3cm角に切り、水で洗います。鍋に塩が少し入った水を入れ、じゃがいもを中火でゆでます。中まで火が通ったらお湯を捨て、そのまま中火にかけて鍋をゆすります。じゃがいもの表面が粉をふいたようになったら、ボウルに入れて熱いうちにへらでつぶします。

 

別の鍋に生クリームをカップ2分の1,バター25g、塩、こしょうを少々入れて中火にかけ、煮立ったら、つぶしたじゃがいもを加えて手早く練り混ぜます。これでマッシュポテト完成。最後に牛乳大さじ3杯を加えて混ぜておきます。

 

次に前に作って冷凍保存していたミートソースを解凍し、鍋に入れて温めます。

 

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耐熱皿にミートソースを入れて平らにならし、その上にマッシュポテトを広げます。粉チーズを上から振りかけ、バター少々を手でちぎって散らします。オーブントースターで10分間、表面に焼き色がつくまで焼きます。

 

出来上がってみると見るからにおいしそう! 小皿に分ける時もドキドキ。食べてみておいしさにうっとり。婆ちゃん達もこのおいしさに感動したのか無言で食べ続けました。これでおいしくない訳がないですよね!

 

 

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作りやすさ★★★

栄養価★★★

美味しさ★★★

材料費★★★

 

ペチュニア(ナス科・ペチュニア属)

2021年3月23日

 

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庭の鉢植えのペチュニアをスケッチしました、朝から日が照って気持ちの良い一日でした。外で座ってスケッチしていると、光が眩しくて目がおかしくなるぐらいの光の強さです。ただ、時折吹く風はまだ冷たくて、30分ほどじっと座っていると、ぶるっと震えが来るほど体が冷えてきました。

 

ペチュニアは成長が速くて丈夫。誰でも育てられる植物です。南米原産で寒さには弱いようですが、ここ数日のように4月〜5月並の陽気の日が続くともう大丈夫です。

 

花の色は様々あり、1年草のものと多年草のものがあります。花屋さんで苗を買って、春から初夏に植えます。鉢植えにして日当たりのよい場所に置くと、辺りが明るい雰囲気になります。

 

今日のスケッチ

モンバル・キャンソン水彩紙 F4

鉛筆とホルベイン水彩絵の具

レンギョウ(モクセイ科・レンギョウ属)

2021年3月22日

 

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よく伸びた枝に黄色い花が沢山咲くと、ああ春が来たと実感します。ちょうど桜の咲く頃、桜より少し前ににぎやかに花をつけます。

 

中国原産の落葉小低木で、江戸時代に日本に渡来しました。挿し木で増えるので、あちこちで咲いています。韓国では道路脇に列植され、4月には花の道になるそうです(『花おりおり』湯浅・矢野著、朝日新聞社による)。韓国に植えられているのは近縁種のチョウセンレンギョウかもしれません。冬にソウルに行くとびっくりするぐらい寒いので、レンギョウが咲く時期が日本の本州より半月〜1ヶ月ぐらい遅れるのでしょう。

 

ヨーロッパでも早春にこのレンギョウが見事に咲いているそうですが、それはこの植物ががシーボルトらによって江戸時代にオランダに運ばれた結果です(『シーボルト日本植物誌』大場秀章監修・解説、ちくま学芸文庫による)。こう考えると、レンギョウは国際的な植物と言えます。とにかく早春の寒い時期に元気な黄色い花が目立つので、人々から好まれるのでしょう。果実は漢方薬になります。

 

今日のスケッチ

モンバル・キャンソン水彩紙 F4 中目

鉛筆とホルベイン水彩絵の具

 

 

 

こんな本読んだことありますか? 『比類なきジーヴス』(P・G・ウッドハウス著、森村たまき訳、国書刊行会)

2021年3月21日

 

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ユーモア小説を読みたくてもなかなかそのものズバリに行き当たらない私が、今回読んだ本がこの『比類なきジーヴス』です。タイトルがちょっと変わっています。どんな本だろうと手に取ると、イギリスユーモア小説の傑作であるとの評価が高いことが分かりました。著者のP・Gウッドハウス (Wodehouse) は1881年イギリス生まれ、1955年にアメリカに帰化、1975年死去。この作品はジーヴス・シリーズ全14巻の第1作目です。若くて失敗の多い主人バーディ、しっかり者の執事ジーヴス、バーディの学生時代からの友人でかなり間が抜けたビンゴ、バーディの伯母でお節介なアガサの間で織りなされる人間模様が面白く、読み進むうちにこの人達の交友が羨ましくさえなります。ストーリ―の背景にはイギリスの上流社会の生活があります。貴族社会や、オックスフォード・ケンブリッジ大学卒業生に代表される知的エリート層を揶揄した笑いが全体に満ちています。イギリスの社会にあまり馴染みのない日本人には、すんなりこのユーモアを楽しめない部分もあるかもしれません。

 

訳者の森村たまきさんの翻訳がとても優れています。文中では登場人物の会話が続くのですが、それぞれの人物の個性的な会話が生き生きと再現され、全体に読みやすく、話の流れを理解しやすくしています。本書は単純なユーモア小説というよりどちらかというと推理小説的な雰囲気もあり、筋を細かく追うことが要求されるので、訳者のなめらかな翻訳に助けられます。内容は18の小編からなっていて、それが全体につながって一つのストーリーになります。

 

「訳者あとがき — P・Gウッドハウス礼賛」の部分を一部引用します。

 

「多作で手軽なウッドハウスの読み物は、大学で講義される文学というよりは、『書評家に黙殺されながらも広く大衆に愛読されている本がたくさんございます』とジーヴスが言うほうの大衆文学に属するのだろうが、名だたる作家、文学者、哲学者は多くウッドハウスを愛読した。(中略)私はマニアでもコレクターでもないから、恥ずかしながら全著作はもとよりジーヴスものですら全作品を通読はしてはいない。とはいえ都合のいいことを言うようだが、ウッドハウスの作品というのは、一部が全部であって全部が一部であるような大いなるマンネリの世界だから、しゃかりきになって全巻読破するような性格のものでもないようにも思う。折にふれて手にとって楽しみ、読み終えて満足する、あるいは買ってみたら既読であったので重複してもっている、というような付き合い方もいいのではないか。」

 

このジーヴス・シリーズは、皇后(現上皇后美智子さまも愛読されているようで、そのお誕生日インタビューの内容が本の帯に書かれていました。また続けて第2巻以降も、ゆっくり楽しみながら読んでみたいと思います。