わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

夏の蝶

2022年7月10日

 

「欲しいのは蜜か葉陰か夏の蝶」

 

庭に蝶々が飛んでいる。名前はよくわからないが、オレンジ色でタテハチョウの仲間のツマグロヒョウモンのようだ。暑いのに何を探して飛んでいるのか、聞いてみたくなる。あるいは産卵のためなのか。今我が家でよく咲いているのはアベリアや朝顔ぐらい。他にもあるが盛夏にはだいたい庭に花は少ない。それでも彼らはやってくる。

 

かつて庭に温州みかん夏みかんの木があったときにはクロアゲハなどのアゲハチョウがよく飛んできていた。産卵し、幼虫も育っていた。それらの木がこのところの毎年の暑さのせいで次々と枯れてしまってからは、そんな大型の蝶もあまり見かけなくなった。

 

私の子供の頃は多くの子供の趣味が昆虫採集だった。夏休みは昆虫採集の子どもたちが近くの野原や里山を走り回っていた。そんな経験を積んだ子どもたちがやがて成長し、科学や医学を志すことが多かった。東大医学部元教授の養老孟司さんもそうだ。気候変動や農薬の多用で昆虫の種類や数が減り、そんな子供の成長の大事な窓口が閉ざされて行くのはさみしい。