わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

朗読『太宰治作品集』の中の『思い出』 (1)〜(10) を聞いてみました

2021年6月28日

 

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種から育てたミニヒマワリが開花しました

 

NHKラジオ番組の「朗読」を少し前から時々聞くようになりました。NHKらじる★らじるの「聞き逃し」の中に「朗読」があって、日本(明治以降)や世界の名作を聞くことができます。

 

今やっているのが、太宰治の『晩年』の中に収められた『思い出』という作品の朗読です。『晩年』は以前に読んだことがありますが、実はその中身をかなり忘れていました。今回、時間を見つけてこの朗読10回を少しずつ聞くうちに、再び原作を読みたくなりました。それで、今日はこの朗読を最初から聞きながら、本を読み直しました。目と耳の両方から入ってくる作品のインパクトは大きく、太宰の世界に再び引き込まれました。

 

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『思い出』は太宰治の幼年期・少年期・青年期の思い出を素直に描いた作品です。太宰の作品の中には数々の名作があり、私達はたいてい青年期にこの作家の作品のいくつかを読んで、なかば「太宰治中毒」になってしまうのですが、この中毒症状は、その後も何度も襲ってきます。この『思い出』は、多分太宰ファンが真っ先にあげる作品ではないのかもしれません。しかし、明るく正直に(赤裸々に)自分の思い出を書いた作品として、ずっと読者の記憶に残るでしょう。多くの作家が自分の幼少期を書いています。この『思い出』もそれらの中で光を放つでしょう。昔訪れた太宰の出身地、青森県津軽地方、をもう一度ゆっくり訪ねたくなります。

 

朗読ですが、中学校の国語の時間には何度も経験しました。しかし、高校入学以来もっぱら黙読の世界に入ってしまい、作品を声に出して読む機会がほとんど無くなりました。今回、この『思い出』の朗読をしている俳優さんの声に合わせて自分でも声をだして読んでみたのですが、とても追いつきません。声に出して読む力が全く衰えました。

 

中学校の頃はどちらかというと朗読が得意でした。国語の先生に当てられると嬉しくなって、作品中の人物になりきって朗読しました。クラスの仲間も朗読の時間を楽しみにしていました。私は変声期前だったので、男子なのに声が子どものままで高めでした。国語担当のO先生という若い女性の先生から「可愛い声ね」と言われて、クラス中からどっと笑われ、恥ずかしくて顔を赤くした思い出があります。背も低く、小・中学校ではクラスで前から2,3番目。先生から可愛いと言われた理由がその辺にもありました(身長はその後、高校で178cmまで伸び、友達を驚かせましたが)。今は全くだめなのですが、小学校時代には合唱部のアルト担当で、その合唱部はNHK合唱コンクール中国地方大会で第2位になったこともありました。当時はウイーン少年合唱団にあこがれていました。

 

そんな大昔のことなどを思い出しながら、今日はこの太宰治の『思い出』を楽しみました。