今朝、田んぼの稲に花が咲いていました
2020年8月24日
朝の散歩道、すこし涼しい風がでて、何となく季節の変化を感じます。赤とんぼが飛び、セミの声もクマゼミからツクツクボウシに変わりました。いつもの散歩道を歩いて水田の横に出ると、稲に花が咲いているのを見つけました。ちょうどこの時期に咲くんですね。これが自家受粉して実になるわけです。
富山和子著「お米は生きている」(講談社)(小学校高学年向け)には、次のような記述があります。
「やがて夏、いねはぐんぐん成長し、大地は青一色にかわります。
7、8月の夏のさかりに、いねは穂を出します。そしてある朝、とつぜんに、花がさくのです。
いねの花を、あなたは見たことがありますか。
いねの花は、長さ7ミリほどの、小さな小さな白い花です。いねもみの一つぶ一つぶに花がさき、水田いちめんが、まるでけぶるようなすがたです。
いねの花のいのちはみじかく、さいてからほんの1、2時間でしぼみます。そのみじかい時間に花粉が雌しべにたどりつかねばなりません。
しかも、花粉の寿命も2、3分なのです。
なんと神秘的でしょう。
いのちがみじかいということでは、まるでさくらの花のさきかたのようですね。
小さな花で、水田がけぶるように見えるのも、さくらの花ににています。
そういえば日本人は、さくらの花がだいすきです。「花」といえば、むかしはさくらの花を意味していたほどでした。
なぜでしょう。
そのひみつも、じつはお米にありました。さくらの花のさきぶりが、いねの花を思わせるからでした。
その年の、お米のできぐあいを左右するいねの花。そのたいせつなたいせつな花ににているからこそ、いっそう、日本人はさくらを愛したのでした。
そして春、いねの神がさくらの花となっておつかいにくる、と考えられたのです。
さて、いねは花がさいてから1か月半ほどすると、実をつけます。1本のいなほに、100つぶから150つぶがみのります。
やがてまもなく、みのりの秋がやってくるのです。」
まだまだ暑い夏ですが、少しずつ季節が動いています。散歩道で稲の成長を観察したいと思います。