冬霞
2023年1月17日
「野猫待つ夜明けの道や冬霞」
今朝の散歩道は冷えました。遠くに見える山のふもと付近に霞のようなものが漂っていました。目に見えない空気の層があるのでしょう、霞は横に広がっても上下には移動しません。よくよく見ると霞ではなく農家が草を燃やしている煙でした。しかし冬霞が出てもおかしくない季節です。
朝の散歩道では最近見かけるようになった子猫2匹がいました。よく見ると耳が桜の花びら型にカットされたさくら耳になっていて、避妊手術を受けたことがわかります。どなたか地域猫を世話している方が獣医師のもとに連れて行って処置されたのでしょう。これからまだまだ寒い時期が続きます。猫たちがこれからも元気でいてくれたらと思います。
「冬霧・冬霞」を『新版 今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で見てみました。
「季節風がやんだ明け方に立ちこめる暗くて重い霧で、直後によく天気が崩れる。昔は春のさきぶれとしてとらえた。冬霧と煤煙が一緒になったのがスモッグ。」
「冬霧・冬霞」を季語にした句を一つ。
「橋に聞くながき汽笛や冬の霧」 中村汀女
きれいな句です。鉄道橋のまわりに立ちこめた川霧を想像します。昔なら蒸気機関車でしょう。列車が橋にさしかかる前に長い汽笛を鳴らしたのだと思います。私の頭の中では伯備線の新見付近(岡山県)やもう廃線となった三江線の三次(広島県)付近、江津(島根県)付近がイメージされます。