わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

青柿

2022年7月6日

 

「青柿や風流れくる田のほとり」

 

散歩道に何本か大きな柿の木がある。どれも渋柿の木で、農家が秋に実を収穫して干し柿用にする。近くの野菜直販所でも大きな袋入りの渋柿が売りに出される。今この柿の木には沢山の青柿がついている。

 

柿の木は日本古来のものと思われているが、実際には8世紀(奈良時代)に中国から渡来したという。最初は渋柿の木だったのが、やがて甘い柿の木に改良された。英語で柿は Persimmon と言うが、ニューヨークでもパリでも「カキ」といって売っているらしい。おいしい甘い柿が日本の果物として世界に出回っているのならうれしい。

 

散歩道の両側に広がる水田の青々とした稲の苗もだいぶ伸びてきた。今日気がついたのは、水田の上は風がよく通って、しかもその風が涼しいこと。水の上を吹いて来る風だから当然かも知れないが、それにしても蒸し暑い季節にここだけはひんやりと涼しくて気持ちがいい。

 

今日の句で「青柿」は夏の季語。風は「涼風」(りょうふう、すずかぜ)としたかったが、これは秋の季語らしい。なお、「涼し」は夏の季語だ。季語は必ず使わなければならず、また同じ句の中に季語は2つは使えない。俳句にこの制約があるのが初心者には苦しく面白い。

 

今日は「青柿」でもう一句。

 

「青柿や行方定めぬ低気圧」

 

雨が極端に少ない今年の瀬戸内地方。農家も雨を期待したが、外れた。