わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

新緑や 空気も水も 皆きれい   岡山県岡山市北区旭川河岸

2019年5月


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元号が令和となり、テレビや新聞の天皇の退位と新天皇の即位をめぐる大々的な報道の影響で、日本中がなんとなく全てを一斉にリセットし、そろって新たなスタートを切る。そんな気分の5月が始まりました。
 
さて、4月末からはゴールデンウイーク。今年は10連休ですが、私のような「毎日が休みの」退職者には10連休といっても特別何の変化もありません。現役の若い世代の人たちには「ご苦労さん、ゆっくり休んでね」と声をかけたくなります。私が若い頃には、退職後の生活に対しては「毎日やることが無く退屈で、体力の低下を憂いながらの暗い生活」というイメージを持っていたのですが、実際自分が退職してみると、これはまさに毎日が「ゴールデンウイーク」の連続という気分です。質素な生活スタイルですが、何もストレスが無く、楽しく充実感があります。65歳~75歳ぐらいの10年間は、健康状態もそれほど問題がなく、「ゴールデンエイジ」とよく言われますが、本当にその通りだと実感します。
 
もちろん、日々の体調は若い頃のようにはいきませんし、体力は年々低下します。超高齢の親の世話もしなければなりません。しかし、自分の老後の「プロジェクト」つまり「やること・やりたいこと」がはっきりしていると、退職後も意外としっかりと楽しく過ごせます。
 
最近の朝日新聞の朝刊(2019年5月1日)に、「令和 私たちの期待」という特集記事があり、3人の若者の意見が出ていました。その中に、「しょぼくても日々丁寧に」という28歳の「えらいてんちょうさん」の意見がありました。若い人の意見を知ることができる貴重な記事でした。以下にその一部を引用します。
 
「平成は生きづらい時代でした。SMAPの『世界に一つだけの花』に『ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン』というフレーズがありますけど、僕たち平成に生まれ育った人間は、『特別なオンリーワン』にならなきゃいけないというプレッシャーをずっと感じてきたと思うんです。
(中略)
ほとんどの人は『特別なオンリーワン』になれず、それで心を病んでしまうのです。
 僕は、社会の中でオンリーワンになる必要はないと思います。そうではなく、家族や友人、地域の人など、ごく近しい人にとってのオンリーワンであればいいんです。
(中略)
 平成の時代のような派手な起業も目指さない代わり、ブラック労働もやらない。しょぼくてもいいからできること、やりたいことをやって、丁寧に毎日を送っていく。それが令和に合った生き方じゃないかと思っています」
 
この意見は、まさに昭和・平成と激烈な競争にさらされてきた団塊の世代である私達が、今、退職生活の中で日々考えていることとほとんど同じです! 若い人に中にもこのような考えがあることは想像していましたが、こうやって新聞紙面で突きつけられてみると、ややショックでした。地球温暖化の進行に伴う高温と異常気象と災害多発の近未来。大地震の予感。日本の人口減と経済の不安。いろいろな現実と未来予測を見せられて、若い人たちの「令和」時代に対する思いもややふさぎがちに見えます。本当はこれからが若い人の力の見せ所だと思うのですが・・・。
 
とりあえず、今年もまた青葉繁れる初夏がやってきました。地球の二酸化炭素濃度の上昇もこの時期一休みです。地上の落葉樹が新たに葉をつけて光合成を活発化させてくれるおかげで、この時期には大気中の二酸化炭素濃度が少し減ります。それでも現在の大気中の二酸化炭素濃度は0.04%で、世界の工業化前(2~300年前)の0.03%に比べて大幅に増えています。そして森や草原や畑の植物の光合成による頑張りもむなしく、この二酸化炭素濃度は「地球破滅的レベル」にまで日々刻々と上昇を続けています。若者たちが「しょぼい毎日」を過ごすしかないと考えるようになったのは、この地球温暖化を含めて、これまで生きてきた大人が何も考えず、全て成り行き任せで何も対策を取らなかったせいかもしれません。
 
日本の幸福度の記事もかなり前にありました。それによると日本の幸福度は世界で驚くほど低い。これは本当に意外でした。いっそ、老いも若きも、この令和の時代、「えらいてんちょうさん」みたいに、しょぼくても楽しく丁寧に過ごすことを心にとめて、すべてリセットして生き方を変えていけば、日本中がもっと生きやすい幸福感あふれる社会になるかもしれませんね。
 
今日のスケッチは、新緑で空気が浄化された清々しい岡山市旭川河畔です。
私のお気に入りの場所です。ちょっと二酸化炭素濃度が減ってるなあ、という感じがしました。今回初めてSMサイズの水彩紙を2枚並べて描きました。SMサイズの紙はリュックサックにすっぽり入るので携帯が楽です。今日はいつもの重いイーゼルも使いませんでした。そろそろ私のスケッチスタイルも重い荷物をいっぱいにもった重装備スタイルから身軽なスタイルに変える時期かもしれません。平成から令和に。新しい変化です。


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ウオーターフォード水彩紙 SM 中目 2枚
青墨筆ペン
シュミンケ固形水性絵の具
所要時間:2時間