わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 「異常気象と地球温暖化 ― 未来に何が待っているか」(鬼頭昭雄著、岩波新書)

2019年5月


イメージ 1


 

冬の寒い時期にはどうしても地球温暖化のことを忘れがちです。温暖化は「身近に迫った危機」として新聞やテレビでしばしば取り上げられますが、普段私達は緊急性のない問題として、この問題を考えることを避けています。この本は、気象学の専門家が、地球温暖化のリスクについて一般向けにわかりやすく、しかしきちんと科学的に解説した本です。


私は大学の非常勤で環境関係の講義をしていますが、必ずしも環境の専門家ではない私にとってこの本はとてもよい参考書となっていて、教室の学生さんたちにも強く勧めています(私は今、3回目を読み終わりました)。


特に大事なのは第2章の「地球の気候はどう決まっているか」。二酸化炭素温室効果など、地球温暖化のしくみを理解することは、現代人にとってはとても重要です。普段、科学から距離をおいている人も、身近な問題として是非読んでいただきたい。そして第4章「21世紀の地球はどうなるか」。第7章「気候変動の影響」。今世紀中に予想される事態に「耐える」またはそのような事態を「避ける」にはどうしたらよいか。政府が国民に何も有効な行動指針を示さない今、国民自身が自分で自分の身を守るしかないのですが、これから先、この地球規模の大問題をどうしたらいいか自分で考えるよい材料を提供してくれる本です。