わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 「新版 地球進化論」(松井孝典著、岩波現代文庫:岩波書店)

2015年12月17日



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今日は科学の本の紹介です。「はやぶさ」地球帰還や、ついこの間の「あかつき」の金星軌道への投入成功で、最近、宇宙への関心が高まっています。「はやぶさ」も「あかつき」も、一体私たちの住んでいるこの地球はどのようにして出来て、この先どんな運命をたどるのだろう、という人類にとっての大きな謎を解き明かすための宇宙科学ミッションのひとつです。宇宙、銀河系、太陽系惑星などと聞くと、スケールが大きすぎで気が遠くなりそうですが、やはり、この辺りの話は一度は何か入門書を読んで勉強しておきたいところです。この「新版 地球進化論」は文庫の200ページ程の本ですが、実はそんなに早わかりする内容の本ではありません。しかし、1ページずつ行間を行きつ戻りつしながら、書かれている内容を理解しようと「奮闘努力」する時間は、いわば非日常の貴重な時間です。読み進めば読み進むほど、宇宙と地球の不思議に引きこまれます。これが科学の面白さですね。
 
今、地球温暖化が大きな社会問題となり、先日パリで開催されたCOP21も温暖化防止の国際的な枠組みを決める会議として注目されました。地球誕生から46億年が過ぎて、最近200年で空気中の二酸化炭素濃度が大幅に増えました。そしてこの先が100年が、実は人類の最大の危機、正念場と言われています。温室効果ガスである二酸化炭素濃度がこのまま増え続けると、地球表面の平均気温が今よりも4℃ぐらい上がり、それに伴って人類はこれまで経験したことのない異常気象に見舞われ、人類の生存が脅かされる可能性があります。
 
「新版地球進化論」を読むと、こんなに時間をかけて進化してきた地球を、人間の手でこんなに短時間のうちに変えてしまっていいのかという思いにかられます。人間は地球のほんの一部であり、その地球の上で自然と共存しながらシンプルにつつましく、お互いに無駄な喧嘩はしないで優しく生きるのがベストではないかと思ってしまいます。