わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

男木島の 灯台守は 絵描くひと (香川県高松市男木島(おぎじま) 男木島灯台水彩スケッチ)

2017年9月


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香川県高松市の男木島(おぎじま)に来ました。男木島は高松港からフェリーに乗り女木島(めぎじま)経由で40分の距離にあります。比較的高松港から近い島です。この男木島には、昭和30年代に大ヒットした映画「喜びも悲しみも幾年月」のロケ地になった男木島灯台があります。以前からこの灯台をスケッチしたかったのですが、今回やっとその機会がきました。


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男木島に着いてすぐに港の観光センターでレンタサイクルを借りました。電動式自転車が3時間500円。係の年配の女性に灯台への道を聞いた所、「そこの道を左に行って、すぐに坂があるからそれを登りきって、あとはそのまま10分ぐらいだよ」とのことでした。多分2キロ程度の距離なのでまあそんなもんだろうなあと思っていると、続けて「途中、イノシシが出るし、崖崩れの箇所があるから気をつけてな!」との注意。これでちょっと緊張感が出てきました。案の定、途中の道は舗装してあるものの狭い山道で、畑のそばにイノシシの捕獲わながあったり、がけ崩れの補修をしていたりと、なかなかスリルに富む道でした。両側からうっそうとした樹木が迫る道を抜けると、急に道が開けて海が左手に見える明るい道になりました。灯台まではすぐです。


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灯台は予想どおりとてもいい灯台でした。御影石香川県の庵治(あじ)石)でできた灯台で、明治28年(1895年)初点灯。日本に2つしか無い無塗装の灯台のひとつだそうです(もう一つは山口県下関市の角島灯台です。以前にスケッチしたことがあります)。灯台は現在は無人化し、週末に灯台の世話に来る人が灯台施設の保守と灯台の資料館(昔の職員宿舎)の管理、さらに周辺の掃除などをされているようでした。この現在の「灯台守」の方に、「静かでいいところですね」と話しかけたところ、「退屈でね」との返事でした。今日は日曜日で、私がここでスケッチする間、20人位の訪問者がありました。


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私がこの「灯台守」の人に許可をもらって灯台のスケッチをしていると、この灯台守の人、時々興味深そうに私のスケッチを見に来られました。「絵を描かれるんですか?」と聞いたところ、「水彩を少しね。その資料館の中に絵があるよ」との返事でした。スケッチを終わって資料館に入ってみると、なるほど男木島灯台を描いた小さなスケッチが目立たないところに5,6枚展示してありました。「とてもいい絵ですね」と私。「基礎ができてないから」とその人。もっと水彩らしくあっさり描きたいのだけれど、つい色を次々とぬってしまうとのことでした。それでも構図も色もとてもしっかりしたいい絵でした。現代の「灯台守」は絵描きさんなんですね。春夏秋冬と1年中灯台を相手にして、気が向いたら水彩で描く。うらやましいような、しかしちょっとさびしく、気が遠くなるような生活ではあります。これぞまさしく「喜びも悲しみも幾年月」の現代版です。


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男木島には食堂が幾つかありますが、灯台のスケッチをするのなら弁当持参が必要です。私はJR高松駅で駅弁を買いました。高松の駅弁では「あなご飯」がおすすめらしいのですが、私は「タコ飯」を買いました。灯台にはきれいなトイレがあります。近くでキャンプもできます。海は静かで、フェリーの「めおん2」は快適です。島には可愛いネコもいます。


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ラングトン水彩紙 中目 F6 見開き
青墨筆ペン
ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具
所要時間:2時間30分