わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

旅ゆけば 醤油の香り 秋の空 (岡山県小田郡矢掛町 旧山陽道水彩スケッチ)

2017年9月


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野外スケッチ講座で岡山県小田郡の矢掛(やかげ)町に来ました。矢掛は岡山県南西部に位置し、旧山陽道の宿場町として栄えた所です。これまでにも何度か訪れてスケッチしたことがあります。秋の行楽シーズンが始まりつつあるせいか、あるいは最近町のあちこちで古い家の修繕が行われたり新しい店がオープンしたりしたせいか、以前来た時より矢掛の町全体に活気があるように感じられました。少しずつ地元の人達の町おこしの努力が実を結んでいるのかもしれません。もともと江戸時代の歴史的な建造物を沢山もった町なので、観光で立ち上がっていく力は十分あるはずです。


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井原鉄道井原線矢掛駅に降り立つと、よく風の通るホームから下に見渡せる田んぼには普通の水稲の他に赤米が植えられていて、その赤い穂がきれいでした。彼岸花の赤い色もあちこちに見えました。
この駅から歩いて15分程で旧山陽道に出ます。街道沿いの古い町並みが保存されていて、とても良い雰囲気です。今日は参勤交代の大名が泊まった旧矢掛本陣石井家の斜め向かいにある古い醤油屋さんを描きました。この醤油屋さんは本陣である石井家の分家で、北石井家と呼ばれる家です。伝統的な醤油作りは明治になってから始めたようです。入り口を入ると玄関はぷーんと醤油の匂いがする薄暗い昔ながらの店先になっていて、醤油樽が積み重ねられ、その横の机にも樽が並んでいて今でも醤油の量り売りをしていました。


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今日は本格的な秋の到来を感じさせる青空。流れるような白い雲がきれいでした。名物の柚餅子(ゆべし)を売っている和菓子屋さんの横の休憩所の前に座らせてもらって、柚餅子を頬張りながらゆっくり3時間かけてこの古い醤油屋さんをスケッチしました。店の前に白いミニバンが停まっていて、時々店の用で出入りするのですが、描こうかどうしようか迷ったあげく、結局描くことに。車を間近でスケッチしていると、多分メーカーのカーデザイナーが工夫をこらして設計したんだろうなあと思えてきて、その車の独特のフォルムにもとても興味がわきます。車のデザインが時代を反映するのなら、古い建物と車を一緒に描くことで、後で絵を見た時にその絵を描いた時の時代性を感じ取ることが出来るかもしれません。絵を描き終わって、お土産にその醤油屋さんで醤油の小瓶を買いました。


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昼食は近くの本陣会館のレストランでミニ天丼セット、850円。天丼とそばのセットでしたが、注文してあまり待たされずに出来て、結構おいしくて満足しました。


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モンバル・キャンソン水彩紙 中目 F6 見開き
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:3時間