わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

揖保(いぼ)川の 流れまぶしき 龍野かな (兵庫県たつの市)

2019年5月


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グループ10名で龍野に来ました。一度下見をしているので、今日のスケッチは前回描いた醤油蔵ではなく、城下町の古い通りに面した個性的ないくつかの商店にしました。今日のスケッチ時間は3時間半。最初に訪れたのが伏見屋書店です。2階部分が回廊式になっている珍しい本屋さんです。


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天井が高く、その高い天井の天窓から明るい光が入ってきます。店のご主人の説明では、中央に柱が全く無い構造で、このような本屋さんは、かつては全国にたくさんあったのですが、いまではここと、他に1箇所ぐらいしか残っていないのだそうです。龍野に来た記念に、龍野が生んだ思想家三木清の「人生論ノート」(新潮文庫)を購入。それから外に出て、通りの向かい側に座って店をSMサイズの水彩紙にスケッチしました。スケッチ時間は1時間でした。
 

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続いて、通りの味噌屋さん。井戸味噌麹店。これも昔風(昭和)の店構えが魅力的な店です。ここでも1時間スケッチ。スケッチが終わって、店に入って味噌と甘酒を買いました。甘酒は地元の赤米を原料にしているので、ポリフェノールの赤い色がついた珍しいものでした。店の水瓶にはかわいいメダカが飼われていました。


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最後に、和菓子屋さん。觜崎屋(はしざきや)。ここは前回も立ち寄ってお土産に和菓子を買いました。柏餅、葛餅、酒まんじゅう、そして名物の醤油まんじゅうなど、どれも美味しいです(全部一通り買って食べてみました)。店の前ではすでに大阪から来た他のスケッチグループの人が座ってスケッチされていたので、ここでは遠慮して、次の候補地を探して歩きました。
 
次に描きたかったのは、揖保川の川むこうに立つ大きなヒガシマル醤油の近代的な工場です。揖保川の水が初夏の光を浴びてキラキラと輝いていました。しかし、交通量の多い道路沿いでは、なかなか静かな日陰の場所を探すことが出来ません。そのうち集合時間が近づいてきました。こんな具合で、3枚目は時間不足で描けませんでした。お昼を食べていなかったので、エネルギーも枯渇しました。
 
最後に全員で集合して簡単な講評会をしました。龍野は二度続けて来てみて、二度とも好印象でした。あまり観光地化していなくて、地元の人も集客にそれ程あくせくしていない。ケバケバしい看板類も無い。城下町で、通りが狭くて一方通行が多く、しかも車の通行が少ないので、それが幸いして町全体が静かで落ち着いた雰囲気です。町中の公衆トイレも大変きれいでした。欲を言えば、近くにパン屋さんや弁当屋さんやお手軽なレストラン・食堂が欲しい。お腹を満たすのがやや困難です。それと、JR本竜野駅からのバスの運行は必須でしょう。
 
長い醤油産業の歴史と実績があるのがこの町の強みだと思います。土産物にも生活感があふれた個性的なものが多くあります(醤油類、調味料、味噌、甘酒、素麺など)。帰りの列車の待ち時間に、皆で醤油ソフトクリームを食べましたが、これも美味しかったです。


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ウオーターフォード水彩紙SMサイズ
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:2時間(1枚1時間で2枚)