わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

空腹(すきばら)が もろみうどんを 大歓迎   香川県東かがわ市引田(ひけた)水彩スケッチ

2019年12月14日

 

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グループで香川県の引田に来ました。高松からJR高徳線特急うずしお7号徳島行きで約40分。午前10時前に引田に着きました。引田は瀬戸内海に面した古くからの港町です。今日の参加者15名。幸い空はよく晴れて日差しも暖かく、絶好のスケッチ日和となりました。歩いて15分ほどで元豪商の邸宅であった讃州井筒屋敷に到着。そこでトイレやスケッチの準備などをすませて、約3時間半のフリーの時間があることの確認をして、それぞれスケッチに散りました。

 

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私は讃州井筒屋敷の隣にある醤油製造の「かめびし屋」を描くことにしました。この「かめびし屋」の建物は壁が赤く塗られていて、ちょっと他では目にしないユニークな姿です。赤と言ってもベンガラ色の赤茶色ではなく、ピンクに近い赤です。創業は1780年頃。ずいぶんと時代を経てきた建物だというのは目で見てすぐに分かりますが、この赤い色の壁が創業当時からあったのか、それは分かりません。店舗や醤油蔵など18棟が国の登録有形文化財に指定されています。イーゼルを立てて水彩紙を横並びに2枚置いて、ゆっくり赤い壁の建物群を眺めると壮観です。江戸時代から続く実に立派な建築群です。

 

手前の建物の入り口に赤い暖簾(のれん)が掛かっていて、それが風にゆれます。中には名物「もろみうどん」を食べせてくれるレストランもあって、時々お客さんが車で来て、この暖簾をくぐって中に入っていきます。今日はスケッチが終わったらこのうどんを食べると決めていました。「もろみうどん」がここ引田の名物になっています。美味しそうな醤油だしの匂いが辺りにただよっていて、スケッチしながら、次第に空腹感が募ってきました。水を補給しながら空腹を我慢して筆を動かしました。スケッチの集合時間は午後1時15分。それで12時頃から筆のおくタイミングを考えるようになり、12時半過ぎになると、もうどうにも空腹が我慢できなくなりました。そそくさとスケッチ道具を片付けて、近くにいた仲間と3人で建物の暖簾をくぐりました。レストランは多分醤油蔵を改造したと思われる建物の中にありました。ちょっと照明を落とした独特の和の雰囲気。少し待っていると、注文した「もろみうどん」の大(だい)が来ました。店員さんは「上にのっているもろみが崩れて溶けてからお召し上がりください」と言っていましたが、それまで待っておられません。3人とも、上から小ねぎをかけて、箸でもろみを崩して、丼にたっぷりのうどんを夢中ですすりました。そしてしばらくして落ち着いてから、思わず「うーん、おいしいですねえ!」の感嘆の声。腰のつよいさぬきうどんと、醤油だしスープと、もろみ。一杯¥640は讃岐うどんとしては高級なのでしょうが、さすがに値段だけのことはありました。

 

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大急ぎだったけれど、「かめびし屋」は描いたし、名物のもろみうどんは食べたしで、今日は満足しました。今日のように絵を描く場所に美味しいものがあるのを予め知っていると、フリーの時間内にそれを食べたくて、絵の方も必死になりますね。今日の私のスケッチ時間は約2時間でした。描き忘れや描き間違いの箇所が目立つ絵となりましたが、今日のスケッチは忘れられないスケッチとなりそうです。

 

 

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ウオーターフォード水彩紙 中目 ナチュラル F6 2枚

青墨筆ペン、シュミンケ固形水彩絵の具

所要時間:2時間