わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

この町は いつ来ても変わらぬ そこが好き (岡山県総社市総社宮)

2018年6月

 
若い10代の頃、JR(当時は国鉄)の伯備線に乗って初めてこの町の駅に停車した時、「そうじゃ」って、変わった駅名だなあと思いました。そしてその時、この町に将来何度もスケッチに来るなんて想像もしていませんでした。人生の不思議というか、あれから何十年もたって総社には何度も足を運びます。この地にこの地方の神社を束ねる総社宮という大きなお宮さんがあるのが町の名前の由来になっています。

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総社宮の近くには昔ながらの古い商店がならぶ比較的長い通りがあります。ここは江戸時代に備中松山の城下(現在の高梁市)に向かう松山街道沿いに栄えた町です。町並みは江戸時代の面影を色濃く残しています。町並み保存もされていて、町の通りが荒れているという感じは全くありません。むしろ静かでししっとりと落ち着いた雰囲気が漂っています。地方の田舎の町なので、この静かな雰囲気が保たれていると思います。
 
通りを歩いていると小さな画材屋さんがありました。画材店があるのは以前から知っていましたが、いつも閉まっていて、今日初めて店の中を見せてもらうことができました。入り口で入ろうかどうしようかと迷っていたら、中の奥さんが「どうぞどうぞ」と声をかけて下さったので、入って見ました。こじんまりとした店でしたが、一応油絵や水彩などの道具は揃っていました。店の横のスペースにはこの奥さんの描かれた油絵やアクリル画が壁にかかっていました。商売をしながら自分の絵をついでに展示できるなんでなんだかとてもうらやましく思いました。
 
少し立ち話をしたあと、通りを更に歩いて見ました。絵になりそうな建物があちこちにあります。通りから少し中に入った露地裏にも古い民家があり、絵心をそそられました。しかし今日は梅雨の合間で光が強く汗ばむ陽気だったので、日陰がある総社宮の方へ戻って、総社宮の境内で神社の建物と庭をパノラマで描くことにしました。近くに大きな幼稚園があり、園児の声が賑やかに聞こえます。2時間半のスケッチ。そのうち幼稚園児を迎えに若いお母さんたちが自転車で次々とやってきたので、駐輪の邪魔にならないようにスケッチ道具を片付けました。
 
総社に来たら、やはり一番に描きたいのは備中国分寺、2番めが江戸時代の面影を残す総社の古い町並み、そして3番めがその古い町並みに溶け込む比較的新しい明治以降の建物、そして最後に総社宮でしょうか。雪舟が涙でネズミの絵を描いたことで有名な総社の禅寺、宝福寺もいいです。まだ私は絵に描いたことはありませんが、古代の朝鮮式山城である鬼ノ城(きのじょう)も素晴らしいです。総社にはスケッチポイントがたくさんあります。


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ウオーターフォード水彩紙  中目 F6 2枚
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:2時間30分