わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

秋の日に ベンガラの町 描きけり (岡山県高梁市成羽 吹屋 水彩スケッチ)

2019年11月16日

 

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岡山県高梁市成羽の吹屋ふるさと村へグループでスケッチに出かけました。10月に予定していた岡山県塔寺兵庫県平福のスケッチ会がどちらも台風や雨で流れてしまい、今回は9月以来ほぼ2ヶ月ぶりのグループスケッチでした。参加者は16名。JR(伯備線)とバス(備北バス)の乗り継ぎで、昼前の11:40頃に現地に到着。

 

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バスが吹屋の町に入ると、バスの車窓から、すでに車で先に来てスケッチしている2、3人の仲間の姿が見えました。皆さん熱心です。集合時間と集合場所の打ち合わせをした後、ベンガラで栄えた古い町を歩いてスケッチポイントを探しました。ベンガラは赤色の酸化鉄で、この地方の鉱山から取れる鉄鉱石から作られ、建物の塗装や磁器の絵付けなどに広く使われました。吹屋は壁を赤茶色のベンガラで塗られた町並みが美しく、背景の紅葉の木々もそれと調和して、どこを描いても絵になりそうな雰囲気です。私は吹屋の町並ではなく、旧吹屋小学校へ向かう坂道を登ったところから見える町を描くことにしました。家々の屋根の赤い石州(せきしゅう)瓦がきれいでした。日本最古の小学校校舎で知られる旧吹屋小学校は現在修理中で、その古い校舎は残念ながら公開されていませんでした。来年春には一般公開の予定だそうです。

 

今朝は秋らしい青空が広がり、暖かだったのですが、昼過ぎからやや雲が出始めて気温が少し下がりました。それでもこの季節にしては暖かいほうです。赤や黄色の木の葉もちょうど見頃でした。小学校を見るために坂道を上り下りする人が時々私のスケッチを見ていく以外は、とても静かなスケッチ時間でした。

 

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今日はスケッチ時間2時間半。早めにスケッチを終えて、吹屋の町の通りでスケッチしている仲間の絵を見せてもらったりお土産を買ったりしながら、午後3時15分の集合時間まで過ごしました。集合時間になると皆さん出来上がった絵をもって集合場所のバス停に集まりました。20分ほど全員で講評会。秋の日を浴びながら現場で描いた絵はどの絵も「ベンガラの町の秋」の雰囲気をよく出していました。観光バスで次々にやってくる観光客の人たちも立ち止まって私達の絵を見ていきました。

 

岡山県ふるさと村は県内に数カ所ありますが、この吹屋ふるさと村はその中の成功例でしょう。観光客が多く、町にも活気が感じられます。

 

帰りのバスはほぼ満席。天気は夕方に回復し、吹屋からJR備中高梁駅までのバスの旅は、明るい夕日を浴びた農家や紅葉の山々を眺めながらのリラックスした旅となりました。「秋の夕日に 照る山 紅葉」の小学唱歌そのものの景色です。秋は短く、やがてこの地域も厳しい寒さを迎えます。

 

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モンバルキャンソン水彩紙 F10

青墨筆ペン

シュミンケ固形水彩絵の具

所要時間:2時間30分