わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

JR伯備線グリーン車の旅

2017年9月


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島根県松江市に住む叔父(母の弟)が87歳で亡くなり、その葬儀に母(93歳)を連れて松江に出かけました。はじめは車で行くことを考えたのですが、長距離運転で疲れること、帰りの時間が遅くなること、そしてなるべく日帰りしたいということで、JRを使いました。

 

そして今回初めて母を車椅子に乗せて行くことになりました。母の足が弱っていて、歩行器を使っても、とてもゆっくりとしか歩けないからです。家内は翌日早くに仙台で仕事があるので、私だけが付き添いです。

 

今回、歩行困難な年寄りがいるのでなるべく楽に岡山―松江間を往復できるように、ちょっと贅沢にグリーン車に乗ってみました。グリーン車は実はこれまでほとんど乗ったことがありません。どちらかというと私は「鈍行」志向で、新幹線や特急に乗る時もほとんど自由席です。若い頃から節約精神が強く、貧乏性がしっかり身についています。

 

JR伯備線の特急やくもの下り松江方面行きは先頭車がグリーン車で、展望車になっています。運転席の前方の線路がよく見えます。通路の横の窓も広めにとってあって、車両全体でとても良い眺めを楽しめます。席は横3列で、2人席と一人席。通路も広くて、私が持ち込んだ自宅の折りたたみ車椅子もこの通路を通れるぐらいの広い幅がありました。また、前の席と横の席との間の空間がもったいないぐらい広い。乗客が少ないので貸し切りのような雰囲気で、何ともリッチな気分です。

 

電車に乗り込む時、降りる時には岡山駅松江駅の係員の人がスロープをホームと電車の間に置いて母を乗せた車椅子を押してくれました。このあたりのJRのサービスはとても素晴らしいです。気になるグリーン車の料金ですが、実はそれほど高くはありません。私は今JRジパングクラブの会員になっていて、201 km以上の旅行の場合、乗車券と指定券が3割引きになりますが、グリーン車を使うとそれがちょうど割引なしの通常料金になるぐらいの感じです。これだと、たとえ一人旅でも積極的にグリーン車に乗ってみる手かもしれません。

 

松江に昼過ぎに着いて、それから葬式がはじまるまでの時間、松江市の公園墓地に眠っている私の妹のお墓参りをしました。妹が亡くなってからもう7,8年になります。57歳でガンでした。妹が亡くなった時には悲しくて悲しくて、道を歩いていると自然に涙が出るようでしたが、歳月が次第にその悲しさを消していってくれています。お墓参りの後、午後2時頃に斎場に到着しました。葬儀は4時半からでした。

 

叔父はとても優しい穏やかな人で、私が子供の頃いろいろ忘れられない楽しい思い出を作ってくれました。小学校4年生の時、当時としては珍しいきれいな焦げ茶色をした少年用の野球バットを買ってもらったことが忘れられません。体が細く背が低く、運動が苦手だった小学生時代の私も、バットの素振りなどをして、お陰で少しずつ体力がついていったと思います。故人は島根県庁に勤め、長年、林業や緑化関係の仕事を誠実にされていました。退職後は、俳句の同人誌の編集などをしながら、俳人としてこの地方で活躍した人でした。

 

今日は旅行の性格上、水彩スケッチは無しです。故人を偲びながら、ゆったりした旅が出来ました。グリーン車、おすすめです。


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