わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

瀬戸の風 下津井港の 夏景色 (岡山県倉敷市児島 下津井港水彩スケッチ)

2017年6月

 
昨日は夏至。昨日降った久しぶりの雨が止んで、今日は朝から涼しい風。天気は曇り時々晴れ。木曜スケッチ会で瀬戸内海と瀬戸大橋を望む下津井港に来ました。今や瀬戸大橋を背景にした下津井の町並みは、絵かきにはとても人気のスポットです。ちょっとポピュラーすぎて、何となく同じ構図は避けたいと思いながらここに来ました。JR瀬戸大橋線児島駅下車、循環バス「とこはい号」に乗り換えて、20分足らずで下津井漁港・むかし下津井回船問屋前に着きました。
 
地元の絵の仲間の人の案内で、数人でまとまって港の端の方へ。そこから港内の漁船と遠くの瀬戸大橋を望む構図でスケッチを始めました。風が涼しくてとても快適でした。今日はF6水彩紙を二枚並べて描くつもりでいましたが、紙を挟むクリップと紙を支える厚紙のどちらも持ってくることをきれいに忘れてしまい、仕方なく予定を変えてF6で1枚だけ描くことにしました。ちょっとおとなしい絵になってしまい、せっかくのこの風景の広がりをダイナミックに描けなかったことを反省。

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他の人に少しだけアドバイスをしながら、2時間半のスケッチ。それから早めに集合場所のむかし下津井回船問屋前の広場へ。12時半から今日の参加者19名で講評会をしました。全体にみなさんとてもよく描けていて感心しました。仲間の人があとで言っていたのですが、どの人もとても熱心で、水彩画もそれぞれに個性的でレベルが高い、という印象です。

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昼食後、次回描く場所を下見するために町の中を歩いて見ました。もう25年ぐらい前に初めてここ来た時には(今回はそれ以来です)、まだ古い漁師さんの家が密集した狭い路地があって、隣の家の話し声や近所のテレビの音が筒抜けのような感じでしたが、今行ってみるとそういう古い住宅はきれいに無くなっていました。なんだかあっけないというか、時代の変化が速いというか……..。その古い家並みから見た瀬戸大橋を描くことができれば新旧の取り合わせが面白いだろうなあ、と期待していたのですが、ちょっとそれはもう無理なようです。ただし、下津井漁港のとなりの吹上漁港の方に行くと古民家群が見える場所が残っているそうなので(途中でお土産を買いに寄った羊羹屋さんのご主人の話)、次回はそこを目指して行きたいと思います。

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帰りも循環バス「とこはい号」に乗り、JR児島駅に向かいました。「とこはい」とは一体どういう意味だろうと思って、あとでインターネットで調べてみると、地元の下津井節に「とこはい、とこはい」と何度も繰り返しでてくるのがこの言葉でした。昔、船頭たちによって酒の席で歌われた歌で、「とこはい」とは「床這い」なんだそうです。船頭や船客と遊女との遊びを歌った歌なんですね。なーるほど。バスがJR児島駅に近づき、JR児島駅南に来たので、次は多分終点のJR児島駅だろうと思って降りる準備をしていると(他の同じような観光客も数人いました)、予想に反してバスはその後ぐるりと町のセンターに舞い戻ってえらく遠回りを始めました。こんな時、岡山弁では「どこへ、はあー、行っとんじゃろか」と言います(多分)。それでこのバスは「とこはい ― どこへ はあー行っとん」バスと私は勝手に決めつけてバスに乗っていたのですが、そうではなくてこの名前にはちゃんとしたいわれがあったのですね。
 
この「とこはい」には後でさらに逆襲を受けました。JR備前一宮駅で降りて、朝預けていた自転車を取りに自転車置場に行ったところ、自分のズボンのポケットに入れたはずの自転車の鍵が見当たりません。「鍵はどこへ はあー 行ったんじゃろうか」と思わず独り言。結局鍵は見つからず、係の人から渡された工具でやむなく自分で鍵を切って解除しました。やれやれ。今日は下津井でよく歩いたこともあって、最後に自宅近くの丘を自転車で息を切らして登ってくると、もう体がヨレヨレでした。
 
ラングトン水彩紙 中目 F6
ぺんてる筆ペン
ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具
所要時間:2時間30分