わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

これ描くの? でもこの取り合わせが 瀬戸内海 (岡山県岡山市中区 三蟠(さんばん)港 水彩スケッチ)

2017年6月

 

野外スケッチ講座で先回に引き続き岡山の三蟠港に来ました。今回はF6号の水彩紙を2枚並べて港と遠景の工場群を描くことにしました。前回のスケッチとほぼ同じスケッチポイントです。今日も前回同様、公園の端の木陰で、とても涼しく快適でした。

 

絵を描きながら不思議に思ったことは、この港に係留されている漁船が全然動かないことです。本当に漁船なのか。漁船なら朝の漁から帰ってくる船があってもよさそうなのに、まるで船が動きません。出ていく船もありません。海は穏やかで荒れていないし、一体どうなっているんでしょうね。多分、これらの漁船は魚釣りをする人を乗せるプレジャーボートで、平日には余りお客さんがいないので船の動きがない、と勝手に解釈しましたが、さあどうでしょうか。

 

それと、こんなに工場が近くにある海で魚を釣っても、その魚は安心して食べられるのかもやや心配です。この港の先の児島湾は工場排水や都市下水などにより相当汚染されていることが知られています。私は山陰の生まれであることもあって、瀬戸内海の魚がスーパーに並んでいても、もし山陰の鳥取県境港、賀露、島根県の浜田などで水揚げされた魚があれば、そちらの方を選んで買ってしまいます。これは偏見だと叱られるかもしれませんが、やはり山陰の魚は安心だし美味しいです! ただ、魚釣りを楽しむだけなら、この港は岡山市街地からも比較的近いし、とてもいい場所だと思います。

 

多島美を誇る瀬戸内海。日本で最初に国立公園に指定された瀬戸内海。しかし、現実には各地で海洋汚染が進んでいます。香川県の豊島(てしま)も先日やっと不法投棄された90万トンもの大量の産業廃棄物の無害化処理が終わりました。こんな美しい海なのに、潜ってみると自転車や冷蔵後やテレビや沢山のプラスチックゴミが海底に散乱しているという現実。内海の水がなかなか外洋(太平洋)のフレッシュな水と入れ替わらない瀬戸内海。絵を描きながら、そんなことを考えていました。こんな日本の現実もスケッチして残さなければならないと思います。美しい場所だけを取り上げるのではなく、日本の未来を考えるうえで大事な場所をこれからもスケッチしていきたいと思います。



イメージ 1

 

ラングトン水彩紙 中目 F6 2

ぺんてる筆ペン(青墨)

ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具

所要時間:3時間