わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

ああ、日本のシスレーと呼ばれたい ― シスレー「夏のモレの橋」水彩模写

2016年10月6日


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シスレーの「夏のモレの橋」を模写しました。アルフレッド・シスレーは1889年50歳の時にパリ近郊(パリの南西)のヴヌ レ サブロンからモレ シュル ロワンに移り住み、晩年の10年間をそこで過ごしました。 シスレーはモレ一帯を徒歩で歩き、ポプラ並木、家並み、ロワン川や橋、教会などを好んで描きました。
 
今日模写したのは、ロワン川にかかる「夏のモレの橋」です。まず、2B鉛筆でざっと中景の橋と建物の配置を写し取り、その後いつもの筆ペン(ぺんてる青墨)でなるべくていねいに線描きをしました。線描きが終った段階で、空とロワン川の部分が水彩紙の画面の中でとてもおおきな部分を占めているのでびっくり(線描きでは、この部分は白いスペースのままなので)。要するにこの絵は、空と川の表情で全体をもたせるような絵なのです。そして空と川に挟まれて、モレの橋が存在感を示します。



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参考にした画集 (ExpositionAlfred Sisley, 没後100年展) には、「これは水平線、花咲く果樹園、赤い屋根の集落が広がる明るい丘を描いた画家である。そして何よりも、生き生きとそして驚くほどしなやかにフランスの空を表現した画家である」とありました。なるほど、フランスの空か…….
 
夏空と川の表情を写して1時間半、なんとか模写を終わりました。空のダイナミックな表情と色の変化、川の静かな、しかし生き生きとした流れを描くのに苦労しました。
 
ウオーターフォード水彩紙 F4 中目
ぺんてる筆ペン(青墨)
シュミンケ水彩絵の具
所要時間:1時間半