わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

沖縄の 慰霊の旅は こぬか雨 (沖縄県那覇市、糸満市水彩スケッチ)

2016年3月

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久しぶりに沖縄の那覇に来ました。3月の末でもう暑いかなと思ってきたら、最高気温18℃の曇り空で時々小雨の天気。意外と肌寒くて驚きました。那覇空港は立派になっていました。もう名実ともに国際空港です。モノレールにも今回初めて乗りました。那覇空港発で6番目の駅が今日泊まるホテルに近い旭橋駅。この駅の周辺には高層のモダンなホテルがあちこちに建っています。ホテルに荷物を預けて、ホテルの目の前の那覇バスターミナルから沖縄南部の糸満ひめゆりの塔平和祈念公園方面のバスに乗りました。このバスの表示がちょっと観光客には分かりにくい。何番のバスに乗ればいいのかよく分からず、偶然来たバスがちょうど糸満バスターミナル行きだったので、それに乗りました。糸満バスターミナルで次のバスに乗り換えて、ようやくひめゆりの塔に到着しました。お昼をすぎていたので、まずお参りする前に近くの店で名物のソーキそばを食べました。


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ひめゆりの塔は言うまでもなく沖縄戦の犠牲になった沖縄師範学校女子部などの女学生を供養する塔です。ここはやはり特別な場所でした。実際に来てみて、彼女らが亡くなったガマと呼ばれる壕の様子をこの目で見て、戦争の悲惨さを改めて感じました。


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資料館の資料も生々しく、絶望感の中で死んでいった彼女らの姿が強烈に心に残りました。今日ここに来てみて私が感動したのは、子供連れの若い家族が沢山来ていて、お父さんやお母さんが娘や息子に過去の戦争の悲惨さを教えている姿でした。こういう教育は、子供に平和の尊さをツアーという実体験で教え、将来にわたって大きなインパクトを与えると思います。
 
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ひめゆりの塔から平和祈念公園まであまりバスの便が多くないので、曇り空で暑くもないし、それじゃあ歩いてみようか、ということで4キロの道を、重い水彩道具を持って歩きました。途中、民家の門にはそれぞれの家で個性的なシーサーを置いていて、思わず次々にカメラのシャッターを押してしまいました。この4キロの道、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれているだけあって、なかなか気持ちのいい道でした。サトウキビ畑が広がりその向こうに海が見えるのですが、戦争中はこの海がアメリカ軍の軍艦や上陸用舟艇で溢れていたのかとおもうと、何とも哀しい気持ちになりました。

平和祈念公園には有名な平和の礎(いしじ)がありました。沖縄の戦没者の名前が刻まれたおびただしい数の石碑が規則的に並んでいます。これだけでもう言うべき言葉が無くなります。資料館にも入りましたが、写真が悲惨すぎて直視できないものが沢山ありました。もうこんな哀しい戦争は繰り返してはいけないとしみじみと感じました。


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今日は、スケッチ道具は持ってきただけで、結局スケッチはしないままでした。東北の震災の被災地を訪ねた時と同じで、どうもスケッチをする気が起きないのです。帰りは1時間に1本のバスに乗りそこねて、仕方なくタクシーで糸満まで帰り、そこからバスで那覇に向かいました。沖縄には何度か来たことがありますが、南部戦跡を訪ねたのは初めてです。今回本当に来て良かったです。
 
今日のスケッチはホテルの窓から見えた那覇港です。正確には那覇の港につながる国場川の風景です。那覇の街はビルが雑多です。これが沖縄らしさかもしれません。


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ウオーターフォード水彩紙 中目 SMサイズ
ウインザー&ニュートン水彩絵の具
ぺんてる筆ペン
所要時間:1時間