わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

米軍機 爆音とどろく 基地の町(沖縄県宜野湾市 普天間基地水彩スケッチ)

2016年3月

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今回の沖縄の旅で是非描きたかったのが、アメリカ軍普天間基地を見下ろす風景でした。朝、ホテルを出て沖縄県庁北のバス停からバスに乗りました。このバスは那覇空港から沖縄北部方面に向かう高速バスでしたが、このバスが途中で宜野湾(ぎのわん)市の嘉数(かかず)に停まることをインターネットで確認しておきました。バスは市内から次々に乗り込んでくる外国人観光客で満員になりました。途中私だけが下車するので、補助椅子に座ったお客さんには席を立って通路を空けてもらうことになり、恐縮しました。しかし沖縄のバスの運転手さんは皆さんすごく優しいです。やさしくゆったりと対応してくれました。


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よくテレビで見る普天間基地を見渡せる有名な風景は嘉数高台公園から見えます。これもインターネットで調べていたので、迷わずそこに向かいました。途中、道を訪ねた地元の男性、女性達は何とも言えない笑顔で親切な対応。沖縄の人たち、やさしくて素晴らしい!

 

嘉数高台公園では、ボランティアで掃除をしている年配の男性と話をしました。「どこから来たの?」と沖縄のアクセントで聞かれたので、「岡山です」と答えると、「岡山は何度か通り過ぎたよ」と笑って返事をされました。「でも出身は島根の松江ですよ」と私が言うと、この男性、急に懐かしそうな顔になりました。なんでも娘さんが出雲に嫁いで出雲大社で結婚式をあげられたのだそうです。それで出雲には何度も行ったことがあるとか。宍道湖の水を手ですくってなめてみてしょっぱいかどうか確認した話(宍道湖は海水と淡水が混じる汽水湖です)や美味しいシジミの話など、沖縄弁で楽しく話して下さいました。この公園には京都府島根県戦没者の慰霊碑があり、この男性の息子さんのお嫁さんが京都の出身であることもあって、いつも二つの県の慰霊碑を掃除してくださっているそうです。本当にどうも有難うございます。


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嘉数高台公園には展望台があります。今日はそこの一番上に行ってスケッチを始めました。天気が生憎で、途中から強い風が吹いて雨が降る時間帯が少しありましたが、雨はすぐに止んで、やがて空は明るくなってきました。雨で途中中断しましたが、結局2時間半でスケッチができました。この普天間基地のスケッチ、やはり難しいのは宜野湾市の民家の多さです。ビルが雑多にひしめいています。当たり前の事なのですが、全ての建物には窓があり、その沢山の窓の向こうにはそこに住む人々の生活があるんだ、と思いました。それを描きながら、こんな人口密集地にこんな基地があるのはどう考えても危ないことがよくわかりました。


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スケッチの途中で米軍の黒っぽい大型軍用機が1機着陸しました。そしてヘリコプターが爆音を轟かせて上空を横切りました。ここの住民の皆さんは、この騒音にはもう耐えられないでしょう。そして毎日、軍用機の離着陸の危険と隣りあわせの生活です。
 

この高台は有名らしくて、次々と人が訪れてきます。基地反対の人がいるかと思えば、ただ単にオスプレイの発着を見てみたいという興味本位の家族もいました。いろいろな人がいていいとは思うのですが、沖縄の現実、これはここに来てみて初めて分かります。本土に負担を求める沖縄県の県民の気持ちもまた、ここに来てよく理解できます。沖縄の人たちがやさしい性格の人が多いだけに、これまで本土に少しは負担してくれと強く要求できないできたということがあるかもしれません。難しいけれども、これから日本全体で具体的な解決策を考えて行かなければいけない問題です。


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昼食は嘉数高台公園のすぐ下にあった沖縄ソバの店で再びソーキそば。昨日最初に食べたソーキそばも美味しかったですが、ここのソバもまた特別美味しかったです。帰りのバスはバス停に行ってみたらすぐに来ました。インターネットだと高速バスしか見つけられませんでしたが、実際には路線バスが頻繁に走っていることが分かりました。嘉数から那覇までは30分ぐらいです。

 
 
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ラングトン水彩紙 F6 中目 見開き

ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具

ぺんてる筆ペンと鉛筆

所要時間:2時間半