わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

近江の国 安土桃山 春がすみ (滋賀県近江八幡市 水彩スケッチ)

2016年2月

イメージ 1

 

先週、イギリスのロンドンからかつての仕事仲間であるジョンさんが京都に来ました。日曜日に空き時間があるというので、朝9時20分に京都駅で待ち合わせ、JR琵琶湖線の快速電車に30分ほど乗って滋賀県近江八幡(おおみはちまん)市に来ました。ジヨンさんは日本に来てたびたび新幹線の車窓から米原(まいばら)付近の景色を眺めては一度この辺りで降りてみたいと思っていたようです。私も琵琶湖の東岸地域はあまりよく知らないので、今回ちょうどいいと思い、一緒にここに来ることにしました。私はもちろん水彩スケッチの道具を持っています。ジョンさんはカメラです。幸い天気もよく、風もなくておだやかな一日でした。


イメージ 2

 

近江八幡安土桃山時代の1585年に豊臣秀吉の甥の秀次が八幡山城を築いてから発展した町で、徳川時代には城はなくなり、その代わり幕府の天領として栄えた商人の町です。今日は、近江八幡駅から正面に見える八幡山を目指して、まずどこにでもありそうな普通の通りを歩きました。15分ほど歩くと次第に古い家並みが見え始め、やがて八幡堀に達しました。そこからロープウェー乗り場に行き、ロープウエーで八幡山頂上へ。片道7,8分で到着です。城跡がある山頂は意外と狭く、石垣などの保存もあまりきちんとできていない感じでした。また頂上からは琵琶湖が見えましたが、春霞で全体がボーとかすんでいて、「おおー!」というような感じではありませんでした。それと、ロープウエーの往復料金880円は、これだけの距離にしてはやや料金が高いと思いました。


イメージ 3

 

ロープウエーを降りて、それからお昼ごはんを食べに近くのすき焼きのレストランに行きました。近江牛のすき焼き、これはさすがに美味しかったです。2階の畳敷きの座敷席でジョンさんと楽しく会話をしながらゆったりと食事をしました。ジョンさんは何とイギリスのアマゾンを通して高いお金を払って私の自費出版本の第1巻を買ってくれていて、私のサインが欲しいと今日はそれをわざわざロンドンから持って来ていました。日本からロンドンに一度行った本がまた日本に里帰りというわけで、大変感激しました。第2巻は私が昨年夏にロンドンに行った時に彼に会ってプレゼントしていました。今回はちょうど第3巻が出たばかりなので、私はそれを1冊持って来ていて、サインをして彼にプレゼントしました。


イメージ 4

 

昼食後、いよいよスケッチです。場所は八幡掘沿い。スケッチによい場所があちこちにありました。ここはまさに「おお―!」と思わず声の出そうな場所だらけです。ジョンさんのアドバイスをもらいながら場所を選んで、スケッチ開始。スケッチ時間1時間20分。私がスケッチをしている間、ジョンさんはそばに腰掛けてしきりにメモをとっていました。後でわかったのですが、彼は手帳を広げ、何ページにもわたって絵の代わりに文章でその場の状況をスケッチしていたのです。自分でWord Sketch (言葉のスケッチ)と言っていましたが、さすがにイギリス人です。日本で言えば、俳句や短歌に当たるのかもしれません。後で近くの喫茶店で紅茶を飲みながら、自分の書いた文章を読んでくれました。私が絵を描いている様子を克明に記録していたようです。あとでこの文章を送ってもらって、彼が撮った写真とともに私のブログに掲載させてもらうことになりました。初めてのコラボレーション(共同作業)です。楽しみです。


イメージ 5

 

1時間半ほどじっとしていて二人共体が冷えて来たので、お茶を飲んで少し休んで体を温めてから昔ながらの町の通りを歩きました。ジョンさんは専門の生物学の他には歴史が得意だそうで、私に「中仙道はここから近いですか?」としきりに聞くのですが、私は滋賀県内の中仙道の詳しいルートを詳しく知らなかったので、答えにつまりました。後でインターネットで調べると、中仙道は近江八幡の東側を、今の東海道新幹線のルートとほとんど重なるように伸びています。私は大学受験で「社会」は「地理」を取ったので、その「地理」は得意中の得意科目でしたが、世界史や日本史は初めから受験科目から「捨てて」いたために、歴史の知識が極めて貧弱です。それが今でも致命的ですね。1573年の室町幕府滅亡から1600年の関が原の戦いを経て1603年の江戸幕府の誕生まで、わずか30年が安土桃山時代で、織田信長豊臣秀吉が活躍した時代ですね。この近江八幡のすぐ東隣が安土なので、このあたり一体が当時の歴史の中心だったわけです。ちなみに桃山は京都の伏見城です。


イメージ 6

 

今日描いた絵は、F4サイズ。時間がないのでサラッと描きました。何となく雰囲気が中仙道らしく、また浮世絵みたいになってしまうのは、やはり土地の雰囲気のせいでしょう。中仙道の街道沿いには私がまだ行ったことのない場所が山程あります。これからまたすこしずつそれらを訪ねて、スケッチをしたいものです。


イメージ 7

 

ウオータフォード水彩紙 F4

ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具

ぺんてる筆ペン

所要時間:1時間半