わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

その昔 どうやって作った? この傑作 (山口県岩国市 錦帯橋)

2018年4月


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グループ(木曜スケッチ会)で岩国の錦帯橋に来ました。新幹線こだま号で新岩国着。今日の参加者は7名でした。遠くてお金もかかるのに朝早くから頑張って参加してくださった皆さんに感謝です。新岩国駅前から小型の路線バスに乗って約15分。朝9時半すぎに錦帯橋バスセンターに着きました。車窓から錦帯橋の姿が見えた時、胸がドキドキしました。もう30年ぐらい前に一度来たことがあるだけで、それ以来となる二度目の錦帯橋。まるで昔の友人に久しぶりに会って胸が躍るというような感じです。
 
ほとんどの人が、すぐに錦川の土手にある石段から河原に降りて、橋を見上げる構図でスケッチを始めました。大型バスでやって来た団体の高校生や外人観光客らが通りかかる中でスケッチ開始です。錦帯橋は最初の橋が1673年に完成。しかし初代の橋はわずか8ヶ月で流されました。その直後に2代目の橋が完成。その橋は1950年の台風で壊れるまで何と276年も持ちこたえました。錦帯橋は伝統の木組みの技術で木材だけで作られた橋です。人が歩く部分の敷板は釘で止めてありますが、橋の基礎部分には鉄釘は使われていないとか。それを聞くと当時の木造建築技術のすばらしさに驚きます。そして出来上がった全体の形も見事としか言いようがありません。この橋がもし戦後すぐの台風で壊れていなければ、当然「国宝」指定なのでしょうが、残念ながら、今の橋はその後に再建されたもので、現在の橋は国指定「名勝」扱いです。この名勝錦帯橋日本三名橋の一つにあげられています。ちなみに後の2つは東京の日本橋と長崎の眼鏡橋だそうです。
 
橋のスケッチしながら、いまから350年ぐらいも昔の時代に、どうして木組みだけでこんなアーチ型の橋が出来たのか、だれが思いついて、どんな工事をやって出来上がったのか、とても気になりました。

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スケッチ時間は2時間半。午後1時に川の土手の上の休憩所に全員集まり、皆さんの絵を見ながら講評会をしました。今回も皆さん、錦帯橋がとてもよく描けていました。今回の絵の難しかった点は、橋よりもむしろ背景の新緑の山の色をどうするかという点でした。山の上にはロープウエーで登ることができ、その山の頂には岩国城が見えます。山は自然林なのか、完全な緑ではなく、黄色や橙色や黄緑や緑や深緑の木立がモコモコと入り混じっています。秋の山の色とは違う春の山の色を出すのに皆さんかなり苦労されていました。私もここで一番苦労しました。
 
スケッチ会の解散後、錦帯橋を渡ってみました。往復300円の通行料を取られます。渡ってみると、橋自体は装飾を控えたシンプルな、むしろ地味すぎるぐらいの橋で、手すりも敷板も木材の木肌がそのままです。欄干の柱につける銅製のぎぼしも、よくあるネギの花の形ではなく、単純な四角い形でした。橋の上を歩くと、下から跳ね返るような、バネの上を歩いているような感じがします。実際、大勢の人が歩いて橋に荷重がかかるほど橋の構造が締まって構造が安定するのだそうです。岩国市役所のホームページを見ると、この錦帯橋のを支える日本の伝統的建築・土木技術のすごさがよく分かります。


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ラングトン水彩紙 中目 F6 見開き
青墨筆ペン
ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具
所要時間:2時間30分