わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

山陽道 見事に残る 宿場町 (岡山県小田郡矢掛町 本陣 水彩スケッチ)

2015年3月

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山陽道の矢掛(やかげ)本陣 石井家住宅(国の重要文化財)をスケッチしました。岡山からJR伯備線で清音(きよね)下車、井原鉄道に乗り換えて20分で矢掛(やかげ)着です。矢掛駅は小綺麗な高架の駅舎で、駅前広場のすぐ近くには田園風景が広がり、ゆったりした気分になります。旧山陽道の宿場町へは、ここから南に歩いて10分程です。旧山陽道は町を東西に流れる小田川に平行して伸びています。旧街道の両側には本陣と脇本陣の二つの歴史的建造物を含む古い建物が続いています。この町が素晴らしいのは、日本の各地の名所旧跡によく見られるように、騒々しくてけばけばしい商業趣味に全く汚されていないところです。町の人達はもっと観光客を呼び込んで賑やかな町にしたいのかもしれませんが、こんなに江戸時代の雰囲気が色濃く残っている静かな街道筋の旧宿場町は今では本当に珍しいので、このままそっとしておくのが一番いいのではないかと思います。

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町の横を流れる小田川は高梁(たかはし)川の支流になるのですが、川沿いに自然が沢山残り、大変きれいです。しかしこの綺麗な小田川は、かつては豪雨でよく氾濫し、住民を悩ませたようです。またこの矢掛のまわりには小さくこんもりした山々が沢山見えます。春は特に山がきれいです。

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今日は穏やかな春の一日でした。矢掛本陣をスケッチする前に、柚(ゆ)べしで有名な和菓子屋さん(佐藤玉雲堂)に寄って、スケッチの途中で食べるための柚べしを買いました。店に出てこられた若主人から「絵を描かれるんですか?」と聞かれたので、しばらく絵の雑談をして、「また描き終わったらお見せします」と伝えてから、本陣前に行きました。
 
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もう午前11時で昼食を取る時間がもったいなかったので、柚べしとお茶だけで午後2時前まで約3時間頑張りました。今日はF6の見開きです。建物が大きくて立派で手を抜けなかったので、下書きや線描きでやや時間がかかりました。今日の色はどちらかというと単純です。緑や赤味や青味が少ないので、色彩的にややポイントに欠ける絵かもしれませんが、歴史的建造物のもつ古くてどっしりした雰囲気は描けたのではないかと思います。

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絵を描き終わった頃、ボランティアで本陣の観光案内をしているという人が話しかけてこられました。東京から2,3年前に移って来られたそうで、Uターンではなく、全く縁もゆかりもない土地への移住、つまりIターンだそうです。岡山県は関東や関西からの移住希望者が多く、今年は全国の都道府県で第3位の人気です。確かに、地震はないし、火山噴火の可能性はないし、台風は来ないし、近くに原発はないし、水も空気もお米も美味しいし、いつも天気がいいし、その割に水は豊かだし、交通の便はいいし、と文句の付けようのない土地柄です。

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絵を描き終わって、柚べしの店に行って、絵をお見せしました。矢掛の代表的な建物を短時間で描いたので喜んでくださいました。次回はまた、脇本陣や古いお醤油屋さん、やかげ郷土美術館など、描いて見たいと思います。


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