わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

箱根から 眺めた富士と 秋の空 (神奈川県足柄下郡箱根町 芦ノ湖と富士山水彩スケッチ)

201411

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新大阪・京都発のスケッチツアーで箱根・芦ノ湖に来ました。新大阪843発の新幹線こだまで静岡県の三島に1145着。それから貸し切りバスで、神奈川県箱根町を目指します。ツアーの参加者は12名。講師は京都の 先生。以前に秋吉台長門のスケッチツアーでお世話になった先生です。若い添乗員の さんの言われるままに後をついて歩いていれば、何の心配もなくスケッチに専念できるので、本当に楽です。当日は午前中晴れていましたが、午後から次第に雲がでてきました。箱根に近づくと雄大な富士山が遠くに見えました。思っていたよりずっと遠くに富士があります。頂上付近には笠雲がかかり、「明日は雨」と言う天気予報を裏付けるようです。


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予め新幹線の車内で配られていた弁当を早めに食べて、すぐにスケッチに取り掛かれるように準備していました。バスは三島駅から30分で芦ノ湖の遊覧船の発着場に着いて、12:30から14:30までスケッチとなりました。2時間しか無いので、いつも3時間でスケッチを仕上げている私にとっては、大急ぎのスケッチとなりました。売店の前に芦ノ湖と富士山を見渡せるような場所があったので、そこにイーゼルを立ててスケッチを開始しました。紅葉を目当てにかなりの観光客が訪れていたのですが、私が選んだ場所は人が歩く道から少し外れた場所だったので、スケッチに集中できました。

 

芦ノ湖に来るのは初めて、そして富士山を描くのも生まれて初めてなので、すこし興奮気味でした。富士山を描くと銭湯の壁に描かれている絵みたいになる、とよく言われるように、なかなか富士山は手ごわいと思いました。形がよく知られているだけに、その形から外れると、富士山とは見なされない恐れがあります。しかし、原則見たまま描かなければ風景スケッチにはなりません。限られた時間内でしたが、全体の雰囲気は出せたのではないかと思います。後で 先生からコメントをいただきましたが、遠近感をもう少ししっかり出すために近くの山、中景の山、遠景の富士山、そして芦ノ湖の遠景・近景の絵の具の濃さを工夫したほうがいい、とのご指摘でした。確かにその通りですが、この季節と天候では、山にも湖にも多分そんなに大きな色の勾配はなかったように思いました。ただ、富士山だけは遠くにありながら特別の存在感がありました。しかし、これを思い切って強く描くと、まさしく銭湯の富士になってしまいそうで、ちょっと怖くて出来ませんでした。

 
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画家の仲間うちでは、「富士は最後の最後に描くもの」、となっているようです。それほど難しいモチーフなのでしょう。今回、とりあえず挑戦してみて、満足しました。


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次にバスで元箱根の遊覧船乗り場に行き、そこから駒ヶ岳を描きました。スケッチ時間は15:00~16:00の1時間。だいぶ気温が下がって寒くなってきたので、本当に大急ぎのスケッチでした。これも時間の関係で塗りが不足ぎみです。


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夜は、静岡県伊豆半島大仁温泉のホテルに泊まりました。夜には 先生の友人で地元の画家の 先生から絵に関するレクチャーがありました。「絵を描く上では、水平線をいつも意識することが大切」、「なぜ現場で見て描くかというと、絵の中でいらないものを捨てるために自分の目で見る必要があるから」、「イーゼルを立てて描けば、前後左右に自由に動けて、フットワークが活かせる(つまり絵にリズム感がでる)」、「珍しいものを描くのではなく、身の回りの、皆がよく知っているものを描く」、「顔の研究には自画像が一番」などなど、なるほどと納得のいくお話ばかりでした。大変参考になりました。時には、こうしてプロの画家の指導を受けて、お話を聞くのも大切です。大仁温泉は気持ちがよく、食事も海の幸を中心としたごちそうでした。

 
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