わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

淡彩で 仕上げて耐える 暑さかな (岡山県総社市 宝福寺水彩スケッチ)

2014年7月
 

宝福寺の2度目のグループスケッチです。梅雨明けまぢかで、朝から湿気を含んだ空気が体にまとわりつく感じでした。そして強い日差し。うーん、今日は暑くなりそうだ、と覚悟して車で総社駅へ。ここで二人の絵のお仲間さんを待ちました。総社駅のまわりは交通量が少なくて好きです。駅のロータリーに車を止めていても、他の車からプッシュされることもなくのんびり駐車できますし、少し長時間駐車をしたければ、駅前の駐車場は最初の30分無料で、その後は1時間おきに100円ですから、本当に気楽です。涼しくなったら、この駅舎をスケッチしたいと思いますし、また駅のホームから線路や電車をスケッチしてもいいかなとも思います。それぐらい、のんびりした駅です。駅前のパン屋さんと和菓子屋さんは前に書いたとおりです。

 

この駅から少し歩くと、総社の商店街に差し掛かります。この商店街、アーケードはなくて広い空が見える昔ながらの通りなのですが、なかなか風情があります。人通りは少なくて登下校の高校生や小中学生が目立つのですが、古い家並みが残っていて、ついスケッチしたくなります。最近は商店が店先に揃ってのれんなども出して町おこしを始めているようです。商店街をしばらく歩くと、総社市の市名のもとになった総社宮にさしかかります。総社宮は平安時代末期に創建されたようですが、その後火災による焼失と再建を繰り返し、平成に入ってからも放火で本殿を消失し最近になって再建されました。3年ほど前にこの総社宮をスケッチしたことがあるので、それを載せます。

 
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今日のメインである宝福寺は総社駅から車で10分のところにあります。JR伯備線の線路のそばに位置しており、時折列車が通る音がします。宝福寺は臨済宗のお寺です。総社にゆかりの第82代・83代首相 橋本龍太郎さんのお墓があります。橋本龍太郎さん、活躍されていたのに、何だかあっというまにお亡くなりになりましたね。宝福寺は朱塗りの三重塔が有名で、それをスケッチする人が多いのですが、私は塔が苦手なので、他の建物をスケッチしました。スケッチしたのはこの禅寺のお坊さんたちの修行の場となっている大きな建物です。石段から建物を見上げる構図や建物の屋根のカーブが素晴らしく、今日はこれにしようとイーゼルを立てて絵を描きました。今日もスケッチ用紙はアルシュ水彩紙です。

 

今日は予想通り暑さがこたえました。比較的日が当たらない場所を選んだつもりでしたが、湿気もあいまってなかなかつらいスケッチとなりました。木陰の涼しい場所も沢山あるのですが、そこはどうしても蚊が沢山出てきます。蚊取り線香や防虫スプレーは用意していましたが、蚊取り線香は火が心配なので使いませんでした。やはり蚊は嫌いです。蚊に悩まされるぐらいならまだ日向のほうがましです。夏の野外スケッチは大変ですね。


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今日は絵を描き終わってみると、いつもなら絵の具で濁る水入れの水が、それほど汚れていないことに気が付きました。今日の絵は本当に淡彩画になっています。暑さで絵の具が乗らなかったんですね。絵の具の乗り具合は主に天気の具合で決まるのですが、体調にもよるのだと今日わかりました。暑いと早く終わりたいと、彩色も淡白になります。「ひややっこ」色でしょうか。

 
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今日は指導をしてくださったI先生から面白いお話をうかがいました。アルシュの水彩紙に描く場合は、紙の表面が筆を痛めるので、まず初めは安い筆で彩色し、ある程度彩色が進んでポイントになるところでいい筆を使うのだそうです。紙の表面が荒い粗目(roughラフ)の紙だと、筆先の摩耗がさらに激しいそうです。なるほど、いろいろなことがあるんですね。今日は勉強になりました。