わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

柿の木の 若葉輝く 春となり  岡山市北区 里山風景

2019年4月


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今日の岡山市の最高気温は23℃。外で絵を描いていると汗ばむほどです。水彩紙の表面が太陽の光を反射してまぶしいので、透明サングラスをかけてスケッチしました。場所は一昨日と同じ自宅から自転車で5分の場所です。今日は前回とは違う角度で、目の前の柿の木に手伝ってもらって、構図を決めました。柿の木は枝がくねくねと曲がって面白いです。樹皮にも表情があります。この季節には、枝先に新芽が芽吹いていて、少しずつ広がり始めた薄緑色の小さな葉が、つやつやと輝いてとてもきれいです。

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前回のスケッチではモンバルキャンソン水彩紙の中目を使いましたが、今回はアルシュ水彩紙の粗目です。モンバルキャンソンでは、鉛筆の下書きやその後の筆ペンでの線描きがあっけないぐらいサラサラと進みます。多分、紙の表面がスムーズで、鉛筆や筆の引っかかりが少ないせいでしょう。細かい線描きが得意な人に向く紙とよく言われています。それに対して、アルシュの粗目は、鉛筆も筆ペンも途中でかすれる程、抵抗があります。筆の穂先が摩耗すると言われています。私の絵では、勢いのある筆のラインが大事な生命線だと思っていますが、かすれたような線や途中で動きが鈍った線など面白い表現をしようとすると、アルシュの方がよいと思います。ただ、時々、アルシュ紙では、鉛筆の線や筆ペンのインクがのらなくてイライラする事があります。しかし、今日は鉛筆の下書きをしていて、粗目のアルシュ紙この抵抗感がとても心地よく感じられました。その日の気分にもよるのでしょう。彩色の場合も、モンバルキャンソンでは、自分の筆の通りに素直に(ちょっと素直すぎて物足りないぐらいの感じで)色がのるのに対して、アルシュでは色をのせると、紙が何か自分に挑んで来るような感じがします。つまり自分の思い通りにならずに(自分がまだ未熟なせいでしょう)偶然性に支配される部分があるのです。それが面白くて、アルシュ紙には使う前に何となく特別な偶然を期待をしてしまうところがあります。モンバルキャンソン紙が木材パルプ紙で、アルシュ紙がコットン紙であるために、このような表現の違いが生じるのかもしれません。絵の具の吸い込みはモンバルキャンソンでは速く、アルシュでは遅いです。そのため、にじみやぼかしなどの技術を多用する場合は、アルシュの方がすぐれているのでしょう。私の場合はこのような技術を使うまでに至っていないので、どちらの紙でもOKです。発色は、モンバルキャンソンは期待以上です。アルシュでは、よく言われるように彩色後、色が沈みます。しかし、深みがで出るとも言えます。アルシュは最高級紙という定評なので、その評判に対する信頼もあります。
 
今回2日をかけて同じ場所で水彩紙を変えて、結果を比べてみました。絵の具はどちらもシュミンケ固形水彩絵の具です。結論から言うと、どちらも良い紙で、自分の絵のスタイルやその日の気分で、どちらを使ってもいいと思います。これらの紙の他に、私はウオーターフォードとラングトンの中目も多用しています。これらの紙は多様したくなるぐらい実に使いやすいです。特に最近はウオーターフォードのブロック紙をよく使います。見開きのときには、ブロック紙を2枚並べます。ウオーターフォードのブロック紙は紙の扱いが楽です(アルシュの場合、私はロール紙を適当なサイズに切って水張りして使いますので、手間がかかります。モンバルキャンソン紙はリングとじのスケッチブックを使っていますが、このリングが丈夫で、外すのにひと苦労です。ラングトンはスケッチブックの表紙と台紙の質が今いちです)。いろいろな紙をこの10年ぐらい使っていますが、最後は「楽」で「失敗が少ない」、また「紙の質に信頼がおける」という理由で、ウオーターフォードのブロック紙に落ち着きそうです。私の部屋の隅にいつも置いていたアルシュ紙のロールも10年かかって、あと数枚でやっと使い切りそうです。10年間、私に試練を与え、期待を抱かせてくれたアルシュ粗目に感謝です!


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アルシュ水彩紙 粗目 F8
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:3時間