わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

梅雨空に 笑いをこらえて 自転車屋さん 描き (岡山県倉敷市本通り商店街 水彩スケッチ)

2014年6月
 
今日も倉敷本道り商店街をスケッチしました。朝からぽつりぽつりと雨模様だったので、まず雨に濡れないように、前にお世話になったギャリー兼店舗の店先をお借りして、通りの向かい側の商店をえがきました。これは比較的上手くできました。


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お昼ごはんをバンとコーヒーですませたのち、前回約束していた自転車屋さんをスケッチすることにしました。まず大きな看板をスケッチしていて、面白いことに気づきました。大きな字で「ナショナル自転車」と書いてあるとおもったのですが、よく見ると最後の「車」の字がなくて「ナショナル自転」になっていました。この看板をスケッチしながら、このお店のアバウトさに思わず吹き出してしまいました。さらに、その横にはご丁寧に英語で「NatioNal Bicycle」と書かれていました。普通はNationalと書くところを、わざとか、または間違えてか、NatioNalと書いたところが実に芸術的というかユーモラスというか、もう古びてペンキの字が判然としないような看板なので、全体に実に「レトロ感」があって素晴らしいです。その下には「シンプル スリム バイク」とありました。普通の日本人なら「バイク」といえば小型オートバイをイメージしますが、英語ではバイクは正真正銘「自転車」という意味です。「シンプル」と「スリム」が自転車の表現にふさわしいか、ちょっと疑問ですが、まあこれはいいとして、ひょっとしてこの看板の文字を書いた人は、実は英語がよくわかっている人で、お遊びで英語の看板を書いたのかもしれません。もしそうだとすると、これは分かる人にしか分からない芸術的な看板と言えるでしょう。通りを歩くアメリカの観光客にじっくり眺めてもらいたい看板ですね。


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店の様子もスケッチしました。これがまた実にアバウトなのです。自転車も乱雑に置いてありますし、軒下の日除けもきちんと張り出していなくて、ぐにゃりと歪んでいます。実物がこんなアバウトな店なので、それをスケッチするのは意外と大変です。絵そのものがアバウト(いい加減)になってしまいそうです。案の定、なんだか雑然とした絵になったな、と思い、絵を描くのを諦めて道具をしまって帰る準備をしました。通りで絵を見てくれる通行人も今日は「うまい」とは言ってくれません。帰り際に、自転車屋さんのおじいさんに絵をみせたところ、「もう色がぬってあるんじゃなあ」というちょっと気の抜けたようなコメントでした。あまり「お気に入り」ではないようだな、と思いながら、私も少し気落ちした気分で自宅に帰り、もう一度絵を広げて見ました。ところが、後で眺めると、うーん、実にいい出来です。このごちゃごちゃ感、アバウト感がリアルです。
 
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今日は、その他にも一昨日炎天下で描きかけにしていた絵も完成させました。一昨日は商店街が一斉休業の日で、折角出かけてきたのに店のシャッターが降りていて店の様子を描けなかったのです。それを完成させて、今日は結局F8号で3枚の絵を作りました。我ながらなかなかよく頑張りました。


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この倉敷の本通り商店街、昭和の面影を色濃く残した生活感あふれる商店街です。最近、この商店街も大きく様変わりしているようです。古い商店が若者向きの土産物店、新しいパン屋さん、ジュース屋さんなどに変わっています。それ自体は商店街の活性化にとって大事なことなのでしょうが、「三丁目の夕日」的な昭和の雰囲気がただよう古い建築物も是非残しながら全体の活性化を図っていただきたいものです。