船酔いの 果てに待ってた 極楽島 (南フランス ポール・クロ島 水彩スケッチ)
2014年5月20日
昨日はかなりの強風が吹き、海はやや荒れ模様でした。今日はポール・クロ島へ行くので船が揺れるのではないかと全員心配しながら、とにかくいつもより朝早くホテルを出て、ポール・クロ島行きの船がでる港へ向かいました。船は思ったより大きかったのですが、港を出るとすぐにこの船は「バッシン、バッシン」と大きな波を前面に受けるようになり、船の舳先が上がったと思うとドンと下の方へ突き落とされる、という大揺れの航海となりました。お陰で、我々の絵のグループでも女性が何人か船酔い症状を示し始めました。
約1時間、こんな状態が続いた後に島の港に到着。うーん、やっと何とか着いたね、とほっとして船を降りると、そこはなんとも言えず美しい島でした。「わあ、きれい!」と皆で歓声をあげました。
目の前に広がるエメラルドグリーンの海と港の小型ヨットの対比が大変美しい風景です。すぐにここで描くことに決めて、スケッチ開始。港に係留されているヨットがすぐにいなくなってしまうのではないかと、そればかりが心配でスケッチを急ぎましたが、心配無用。ヨットは繋がれたままで動きませんでした。
海の色が本当にきれいです。遠くはコバルトブルー、手前はエメラルドグリーンです。こんなきれいなツートンカラーの海はあまり見たことがありません。絵を描き始めると天気が完全に回復して、空も完全なスカイブルーになりました。この美しさに感動しながら、夢中でスケッチしました。お昼ごはんを食べる時間がもったいなかったので、日本から持ってきた乾パンを頬張りながらのスケッチです。日に焼けながら、やっとスケッチができて、ああ、これでこのフランス旅行の最後のスケッチが終わった、という達成感が湧き上がって来ました。
また本土に帰る船にのる前に時間があったので、島の中を散策しました。この辺りはフランスの国立公園に指定されているらしく、その公園の管理事務所のようなところに行ってみると犬が気持ちよさそうに寝ていました。それで、そのワンちゃんを簡単にスケッチしました。
帰りの船に乗り込むと、そのワンちゃんも乗り込んできました。船員さんは特にその犬を追い払うわけでもなく、そのまま船に乗せて、連絡船は今度はあまり揺れることもなく対岸にたどり着きました。あの犬、今夜はどこで眠るのか気になりました。
港からホテルまでは、バスはのどかな田舎道を走りました。フランスの農村風景は実に見事で美しいです。まさに緑一色です。けばけばしい商業看板はほとんど見当たりません。農業を大事にしている国には、何かゆったりとした落ち着きがあります。自然との共存が農業の基本だからでしょうか。自然を大事にしているのがよくわかります。