わたしの水彩スケッチと読書の旅

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セザンヌの 描いた山は 美しい (南フランス エクス・アン・プロヴァンス サント・ヴィクトワール山スケッチ)

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エクス・アン・プロヴァンスミラボー通りをスケッチした後、夕方、希望者でタクシーに乗りセザンヌのアトリエを訪れました。今は静かな住宅街の趣ですが、昔は多分何もない田舎の一軒家だったのかな、とおもわせるアトリエです。セザンヌ自身が設計したアトリエはかなり広く、天井も高く、機能的な感じがしました。アトリエにはセザンヌが使用したキューピッド像やその他の静物が元のまま残り、彼が使用した机、椅子、かばんや帽子もそのまま残されています。

 
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アトリエの内部も見てよかったのですが、アトリエの外の雰囲気が素晴らしかったです。木や植物に囲まれた古い家屋と庭は、昔のままではないのでしょうが、落ち着いた雰囲気で、ここの庭のベンチとテーブルに座ってゆっくり絵を描いたら幸せだろうなあ、と思わせるものでした。セザンヌはここから毎日のように近くのローヴの丘にでかけ、サント・ヴィクトワール山を描いたのです。「絵を描きながら死にたい」という思いが実現して、最後はこの丘で製作中に雨に打たれ、肺炎で死んだようです。


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アトリエから歩いて、実際にそのローヴの丘に行ってみました。セザンヌの描いた通りのサント・ヴィクトワール山が大きく目の前に広がって見えます。これにはさすがに感動しました。この山、普通の山ではありません。堂々としていて存在感があって、この地域にそびえ立っています。しかもきれいです。これなら、セザンヌが何度も飽きることなくこの山を描いたのが理解できます。私達もここに1時間ほど滞在して、それぞれ好きなようにスケッチをしました。この山は、手前の丘の緑と赤みがかった肌色のあの独特の南欧の家屋があるから映えるのです。その姿を昔のセザンヌの絵のままに今に残しているフランスという国の、自然や景観の保護に関わる行政の力と国民の意識の高さに驚かされます。


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