わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

初夏描く パレットの黄色 ぐんと減る (岡山県岡山市北区 水彩スケッチ)

2015年4月

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私の朝の散歩道で定点スケッチをしました。「定点スケッチ」というのは、決まった場所で一年中の変化を追いたいと、私が勝手に名づけたスケッチです。散歩道の中に幾つか自分のお気に入りの場所があります。普段の散歩道以外にも、自宅からJR, バス、車、自転車で比較的行きやすい場所で好きな場所があります。そこでじっくり1年中スケッチをするのも楽しいものです。セザンヌは故郷のサント・ヴィクトワール山を何度も何度も飽きずに描いていますし、モネは自宅の近くの積みわらを季節や一日の時間を変えてこれも何度も何度も描いています。モネはまた、自宅の庭に作った池に睡蓮を育て、それを何度も描いています。私の好きなシスレーは、セーヌ川の風景を繰り返し描いています。こうして同じ場所を繰り返し描くことで、その場所の特徴や美しさを次第に理解できるのではないかと思います。同じ場所でも季節や時間で毎回その風景が見せる表情が異なります。現場で描くことに徹している限りは、毎回いつもその場の空気が異なり、それを表現するのは大変勉強になります。


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4月も下旬になると、里山の風景が早くも初夏の様相を呈してきます。今日は暖かい一日で日差しも強く、いつものスケッチポイントで見た風景は緑がぐんと増していました。光が溢れているので、画面全体に地色として黄色を置く部分が増えます。それでパレットの黄色の消費量がどっと増えました。私のパレットは黄色がダントツに早く無くなります。黄色は何種類か揃えていますが、そのどれもが早く無くなります。その次は青です。緑色を作るときは、黄色の地色の上に透明な青を重ねて作ることが多いのでそうなります。また私は青そのものが好きです。最近見直して好きになっているのが黄土色です。明るい土の色はなぜか気持ちが落ち着きます。画面も落ち着いてくるような気がします。空にも薄く地色として黄土色を載せます。特に地平線の近くや山際などはそうです。赤は緑の中などに少し使うと画面が元気になります。紫の影はきれいです。そういえば昔、パープルシャドウズというバンドがありましたね。とにかくどの色にもそれぞれの役割があるのが分かります。
 
田舎の朝は静かです。じっと座ってSMサイズの小さな水彩紙に目の前の里山風景描いていると、鳥の鳴き声と、時々カエルの鳴き声だけが聞こえます。そう言えば、朝の散歩道で小さな青いカエルが歩いているのを見ました。季節が確実に巡っています。


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