わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

プロバンス 人も日差しも 温かい (南フランス エスク・アン・プロバンス 水彩スケッチ)

2014516

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今日はゆっくりホテルのあるエクス・アン・プロヴァンスの市内でスケッチです。時差の関係で朝3時頃から目がさめてしまい、ベッドのなかで、まだ届かないスーツケースのメーカー名を何とか思い出したりしながら、十分眠ったとは言えない状態で朝を迎えました。朝食の後、朝9時から講師のS先生の案内で、参加者15人ほどでエクス・アン・プロヴァンスの市内を歩いて、スケッチポイントを探しました。私はまず絵よりも先に、エールフランスがスーツケースの届くまで100ユーロ以内で必要なものを買ってもいいというので、地元のスーパーに衣類を買いに行きました。ついでに通りの両替店で円をユーロに替えました。そんなことをしているうちに1時間ほどたってしまい、絵を描き始めたのは11時前でした。しかし、今日は夕方まで1日フリーですし、ホテルまでは歩いて帰れる距離なので、とにかく慌てる必要はなし。時間はたっぷりありました。


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旧市街を中心にかなり歩いたのですが、エクス・アン・プロヴァンスの市内で6号のスケッチブックを見開きにして描ける場所は、メインストリートで人通の多いミラボー通りしかないと思い、その通りの中でも特に人気のある、セザンヌがいつも通っていたというカフェ「レ・ドウー・ギャルソン」を中心に街並みを描くことにしました。こんな観光客の多い大きな通りでイーゼルを立てて描くのはちょっと勇気がいりましたが、一生に一度きりのチャンスです。もう恥ずかしさも何も捨てて描き始めました。絵の仲間が何人も近くて描いているので、それが心強いです。それと町の中心の観光スポットなので、男女の警察官が絶えずパトロールしており、絵に集中していても安全です。

まず、ゆっくりと平鉛筆で全体の構図をみながらラフなスケッチをします。レ・ドウー・ギャルソンを一番手前に大きくもってきて、それから次第に遠くに目を移す構図にしました。道路を挟んでいるので車が時々停まって店のまわりが見えなくなりますが、やがて車も動くので、そんなことはお構いなしに真剣に下書きスケッチです。そしてお決まりの筆ペンでの線描き。次第に建物の形が現れてきます。そして、描き終わった部分の鉛筆下書きを練りゴムで丁寧に消します。この段階が終わっていよいよ彩色です。青い空を塗ります。空の青を見ながらそれをそのまま水彩紙の上に写しとるような気分。最高です。そして建物の影を彩色。くっきりと建物が立体的に見えてきました。そして通りを行き交う沢山の人を描きます。


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彩色を進めるにつれて、通りをいく人たちが絵の後ろで立ち止まって見ていくのが増えてきました。「最初、描き始めた時にここを通りかかってあなたの絵を見たんだけど、もう出来上がったんだねえ。すばらしい」とアメリカの観光客らしい人が声をかけてくれました。男女の青年数人が絵をみて、「ムッシュ、ブラボー!」とほめてくれました。その他、声をかけてくれた人の数は多分20人ぐらい。フランス人はとにかく絵が好きです。そして、気さくに話しかけてきます。話しかけないひとも、ニコッと笑って親指をたてていきます。「いいね!」という意味です。


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絵は描いた人のこころを写しだします。「私はこの素晴らしい街並みを見て、こんなに感動しています」という描いた人の思いが、たまたま通りかかってその絵を見た人たちにもすぐに伝わります。その意味では、絵は言葉以上の力をもっています。国が違っても、お互いに理解しあえるのです。大人にも子供にもわかります。今回、外国で水彩画を描いてみて、絵のもつすばらしい力を再認識しました。


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