わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

中国語 飛び交う ここは 長安か? (京都市 水彩スケッチ)

20143


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ツーデーウオークの大会で京都に来ました。春の観光シーズンを迎えて,ここ京都には多くの外国人が訪れていました。なかでも中国人観光客はすごい数です。中国本土と台湾の両方から来ています。通りを歩いていると,中年女性から突然中国語で話しかけられ,何か聞きたくて,多分トイレか道順なのか必死で聞いているのでしょうが,私は全然中国語が分からないので,何を言いたいのかさっぱりわかりません。何とか答えてあげたいのだけど,まったくお手上げです。せめて日本語の単語か英語の簡単な単語でも言ってくれれば,それがヒントになって助けてあげられるのですけどね。

 

八坂神社や清水寺付近は,本当に中国の観光客だらけです。ここは京都なのか,ひょっとしたら京都がお手本にした昔の唐の都,長安なのかも,と思ってしまうぐらいの中国語の世界です。これからは中国語の会話もいりますね。ちょっと私には今から中国語を勉強するエネルギーは無いのですが。ところで,中国人との会話は,紙を用意して鉛筆を使えば多分ずっと簡単だと思います。漢字が中国と日本とかなり共通なので,書けばわかります! いざと言うときは,この手でいくしかないですね。


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京都のウオーキングは大変魅力的です。ただ,難点をあげると,大きな道路沿いのコースが長く,例えば五条や七条の大通りは車が多くてその排気ガスを吸いながらの歩行はかなり苦痛です。主催者には,コース取りでもう少し考えて頂く余地がありそうです。出来れば静かな郊外を歩きたいですね。あとは,途中の有名な寺社ですこし休憩するぐらいの余裕が欲しいところです。これは歩いている側の問題かもしれません。皆と一緒だと安心ですが,皆が行かない場所でゆっくり見物してしまうと,あとで一人だけ歩くことになり,心細くなります。



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1日目は梅小路公園四条大橋知恩院,八坂神社,高台寺公園,清水寺,茶わん坂,五条大橋西本願寺梅小路公園10kmでした。京都の有名な寺社を巡るコーズで満足しましたが,3月の土曜日で観光客の多かったこと。コースを歩き終わったあと,途中に立ち寄った知恩院に絵の道具をもってもう一度タクシーを使って引き返して,スケッチをしようとしました。しかし,知恩院三門(国宝)のスケールの大きさに圧倒されて,描く気が消え失せてしまいました。これがウオーキングの前なら元気いっぱいなのですが,歩いた後はさすがに描く気力がでませんでした。それから気を取り直して,描く場所をさがして鴨川に出て,河畔をずっと歩いて見ましたが,描きたい場所には工事の長い柵や工事用の塀があったりで,描きたい気持ちになりませんでした。1日目は結局34千歩も歩いたのに,何も描けず,結構重い絵の道具を持ったままホテルに帰りました。歩いたのは大満足でしたが,絵が描けなかったので気分がすっかり消沈しました。


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2日目は京都駅の南を歩く10kmコースでした。梅小路公園からまず東に向かい三十三間堂,それから泉涌寺東福寺,そして西にターンして東寺,最後に梅小路公園に戻りました。京都の東の郊外はいいです。街中は車と人でかなりうんざりしましたが,郊外は静かで,気持ちがいい景色が広がっていました。ゴールの梅小路公園でお昼ご飯を食べた後,ここで昨日のようにスケッチ場所を探して再び歩き出すことは止めにして,梅小路蒸気機関車館へ行きました。ここにはかつての梅小路機関区の扇形車庫跡があり,転車台を中心にして放射状に線路が広がった珍しい操車場が残っています。鉄道ファン必見の場所です。その扇形車庫がもしあったら是非描きたいな,と思って博物館に入ると,いる!いる! SLが堂々と,しかも沢山並んでいました。もうここしか描きたい場所はありません。ちょうど広場の端のテーブルとベンチが空いていたので,そこに座ってスケッチ開始です。今日はかなり歩いた後なので,いつものようにイーゼルをおいて立ってスケッチする元気がありませんでした。まあ,こんな日もあります。


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スケッチが終わり絵の具で色をつけていると,中年の男性が近寄ってきて,スケッチをしっかり見てくれました。

「こいつは僕の友達でしてね。京都に来たときは必ず2時間ぐらい時間をとって,こいつに会いに来るんですよ」と目の前のSLをいとおしげに眺めながらその男性。

「お仕事でSLに関係されていたんですか?」と私。

「いえ,僕はこいつの追っかけをしてました。いまは捕らわれの身だけと,まあきれいにしてもらっているから,いいですかね」

確かに,昔はSL国鉄(日本国有鉄道JRの前身)のイメージそのものでしたものね。力強い汽笛ともくもくと吐きだす黒煙と,白い蒸気と,車輪のダイナミックな動きと,これらはすべて芸術品といえるかもしれません。

 
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このSLのスケッチをしていてよく分かったのですが,この機関車の構造は実に複雑です。特に車輪のあたりのピストンの配置やホースや細管やその他いろいろな構造物の形や配置が実にメカニックでしかも複雑なのです。これはいつか落ち着いて描かなくてはならないでしょう。今日は帰りの時間があるので,細部にこだわらず,ざっと仕上げた絵になってしまいました。それでも,子供の頃から描きたかった蒸気機関車と,重要文化財車両基地跡をスケッチできて本当によかったです。昨日の欲求不満が今日は一気に解消されました。



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