わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

モネ 「カササギ」模写

20142

 

昨日・今日と低気圧が発達しながら日本列島の南を通過し,太平洋側が珍しく大雪に見舞われました。各地とも20年ぶりの大雪とか観測史上最大の積雪量とか,テレビで報道しています。瀬戸内地方も昨日はまれに見る大雪でした。そして今日は一転して朝からまぶしいぐらいの日差しでしたが,気温は上がらず,屋根や道路脇の雪は凍って固くなっていました。

 

6時半から1時間ほどウオーキングをして外の様子を見ましたが,今日はかなり寒いので野外スケッチには行かず,家で「雪を描いた絵」を画集で探して,模写することにしました。今日はモネの「カササギ」です。この絵の中では,雪の夜が明けて,明るい朝日が周囲の雪景色を照らしています。向こうの家の境界の生け垣なのか,あるいは柵なのか,かなり雪をかぶっています。この絵の中心は,やはりこの絵のタイトルにあるように,木戸に留まっている一羽のカササギですね。それで,今日はこの木戸とカササギを真っ先に描きました。カササギはカラスの仲間です。日本では棲息地が九州や北海道などの狭い地域に限られているのですが,ヨーロッパには沢山いるようです,絵をじっくり見ると,カササギの影や植木や木立の影がこちらの広い雪の上に投影されています。空の色は典型的な冬の黄土色っぽい色です。



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描いてみて勉強になったのは,木戸の横木の微妙なそり具合です。多分本物の木戸はもう少しきちんとした作りだったのでしょうが,絵の中では変化をつけるためにこれを不規則にゆがめ,横木の間隔も空けたのではないかと思われます。横に広がる生け垣のフェンスに対して,樹木の並びには遠近法が使われていて,遠くからこちらに向けて次第に樹形が大きくなっています。また,雪の上に映った生け垣や樹木の影には変化があり,リズミカルです。雪の景色で,白が主体で色が少ないので,黒っぽい木戸,生け垣,それに樹木の形やその影の生み出すリズム感で絵を見せているのだと思います。

 

よく見ると,積もった雪にも凹凸があり,太陽で輝いた部分や,わずかに影になった部分があります。本当はそこまで注意して丁寧に描かないとだめなんでしょうね。模写をすると自分のいい加減さが分かって,本当に勉強になります。