わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

シスレー 「秋のモレの橋」模写

201310

 

今日は朝から雨。そして、3、4日前にひいた風邪が一向によくならないので、今日はどこにも出かけず、家でシスレーの絵を模写しました。「秋のモレの橋」は、原画では水の描写と並木の描写が見事です。秋は黄色や橙色が目立つ季節ですね。シスレーは建物の影や橋を黄色の補色のうすい紫で描いています。黄色と紫と、更に、褐色がかった緑の色合いが素晴らしい絵です。透明水彩でこの絵を模写してみると、空や水の明るい透明感はよく出ますが、秋の日を受けた町並みの暗さがやや足りません。それと、今日は新品の筆ペンを使ったので、インクがよく出て、ラインが強い絵になってしまいました。おかげで少し遠近感が損なわれた絵になったと思います。原画では、空には筋状の雲が流れるように広がって、いかにも秋の空です。気温はかなり低いのかもしれませんが、光の部分を見ていると暖かさを感じます。この絵をよく見ると、右手の川岸には数人の人物が描かれています。川で洗濯でもしているのでしょうか。人物も秋の光を受けて白く光っています。人物には白を少し入れるといい、と何かの本に書いてありましたが、確かにシスレーもそうしています。人物はほとんど分からないぐらいの大きさに描かれていますが、白が入ることで、その存在が印象づけられます。穏やかな秋の一日、川岸で洗濯をする女性の話し声がし、秋の風に木々の葉が揺れる音がする。そんな幸せな風景に見えます。


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もうすぐ瀬戸内地方も紅葉の季節が来ます。その時に、本物の紅葉の様子を描きたいと楽しみにしています。