わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

高瀬舟 栄えた町は 秋の空 (岡山県真庭市勝山町 水彩スケッチ)

201310


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バススケッチに参加し、岡山県の県北、真庭市の勝山に向かいました。途中立ち寄った「道の駅」では、テントに人だかりがしているので、何だろうと行ってみると、取れたての松茸が並んでいました。一つのかごに3個の松茸が入って1万円とか15千円とかです。今まさに秋たけなわです。



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勝山は古くから木材の集散地として栄えた城下町で、昔は旭川を行き来する高瀬舟が発着していました。古い町並みはきちんと保存され、落ち着いたたたずまいを見せています。今日は、高瀬舟が発着した場所あたりの町並みを、旭川にかかる中橋の上からスケッチしました。橋は歩行者と自転車専用なので、安全です。スケッチ場所をさがしていると、「ここでよう描かれとるよ」と地元の年配の女性が親切に声をかけてくださり、しばらくその景色の話をうかがった後で、そこでスケッチすることに決めました。今日は秋晴れの快晴。やや風が強く、イーゼルを立ててスケッチブックを載せたときに、片手で時々スケッチブックを押さえていないと、イーゼルが風で倒れそうです。橋の上なので、スケッチブックが川の中に吹き飛ばされたら大変です。

 

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この旭側沿いの町並みは、前から一度描いてみたい場所でした。私が描いたのは、地元の人の話では、(私の絵のなかで)手前から昔の芸者さんの置屋跡、それに続く比較的長い建物が船頭さんの宿泊所跡なんだそうです。高瀬舟は下りは岡山まで流れにそって楽に行けますが、上りは大変な作業だったようです。多分、馬を使って舟を引っ張ったのでしょうが、かなりの日数をかけて川をさかのぼり、その重労働が終わるとここで芸者をあげてドンチャン騒ぎの宴会をしたとか。そんな昔が想像できそうな風景でした。

 

今日はたっぷり時間があり、絵は順調に描けました。画面に川の流れと山を入れました。青空も入れたかったのですが、これは入りませんでした。絵を描いていると、橋を通る地元の人達が、「今日は風がつよいですね」とか、「わあ、よく描けましたねえ」とか、声をかけてくださいました。高校生も通って行きました。絵を描き終わるころになると、地元の87歳になるという男性が話しかけてこられ、今日は体が冷えるだろう、と心配されて、自宅から暖かいココアをお盆に乗せて持って来て下さいました。何という親切な人!


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絵を描き終わって、郷土資料館に立ち寄って受付の方に絵をお見せし、トイレをお借りして、バスに戻りました。今日は穏やかな秋の一日でした。山の中なので日暮れも早く、バスに乗り込むと辺りは暗くなり始めました。私はスケッチ疲れで、すぐに心地よい眠気に襲われました。勝山は人が優しい人情溢れる町です。有名な地酒「御前酒」の蔵元や、蔵を改造したレストランでの食事もおすすめです。



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