わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

懐かしい 子供の頃に 時が飛び (鳥取県鳥取市 鳥取城址と仁風閣 水彩スケッチ)

201310

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出張で鳥取市に来ました。午後からの仕事が始まるまで少し時間があったので、JR鳥取駅前から歩いて鳥取県庁方面へ向かいました。県庁のすぐ近くには、私が幼いころに通った「小さき花園幼稚園」があります。私はこの幼稚園の第2回卒園生です。「小さき花園幼稚園」は鳥取カトリック教会に隣接する幼稚園で、キリスト教の教えに基づいて、幼児の教育がなされています。私がいた頃はまさに戦後生まれの団塊の世代がいよいよ幼稚園から小学校に上がろうかという時代で、当時の集合写真を見ても、子供たちがうじゃうじゃいます。とても今では考えられない光景ですね。園長先生は外国人のカトリックの神父さんでした。生まれて始めて外国人をみたのが、この幼稚園でした。


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幼稚園で忘れられないのが、出席をつける代わりに渡された小さな花の図柄の入った小型ノートです。月ごとにいろいろな花の図が見開きのノートに30個か31個描かれています。入園したばかりの4月はチューリップの花で、1から30まで番号の書いてあるチューリップの図柄の上に、毎日一つずつ赤いチューリップのシールを貼っていくのです。この赤くピカピカ光るチューリップのシールが、珍しくてたまりませんでした。戦後すぐの貧しい時代にもこんなものがあったのですね。そして、クリスマスイブには当時としては予想もしないようなプレゼントが園児全員にありました。男の子には金属製(多分、ブリキ製)の大きな青い自動車です。アメリカの乗用車でした。箱を開けてびっくりし、すごくうれしくて興奮したのを憶えています。そして何より強い影響を受けたのが、毎月配られたキンダーブックという幼児用絵本の中のお話と絵でした。小川未明の童話が印象的な絵入りで紹介されていました。「赤いろうそくと人魚」や「眠い町」のお話と絵が今でも心に焼き付いています。



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幼稚園、そして私が通った久松(きゅうしょう)小学校を過ぎると、目の前に大きな鳥取城跡が現れます。このあたりはきれいに整備されていて、久松公園として市民の憩いの場となっています。鳥取城は山城で、かつて久松山(きゅうしょうざん)の頂上に天守閣がありました。そこまでは登り道でかなりの距離歩かなければなりません。公園内には仁風閣という国の重要文化財があります。明治40年にできた木造ルネッサンス様式の建築です。今日は、この建物と鳥取城址の石垣を描きました。


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時間が限られているので、いつもと違う小さ目(F4)のスケッチブックの見開きです。仕事の時間が刻々と迫るのを気にしながらの大急ぎのスケッチでした。今日の鳥取市10月とは思えない30℃近い暑さと湿度。しかし、日陰で、暑さをしのぎながらスケッチを終えることができました。



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