砂丘にクマ
2021年4月19日
日本海新聞(鳥取県の地方紙)によると、4月17日の夕方に鳥取砂丘近くの県道でクマが目撃されたそうです。私は子供の頃、鳥取市内に住んでいました。鳥取砂丘には父親の自転車の前と後に妹と一緒に乗せられてよく遊びに行きました。その記憶が鮮明にあるのでこのニュースにはちょっと驚きました。もっとも、鳥取市は鳥取城の天守閣があった久松(きゅうしょう)山が市の中心部に迫っているので、市内から遠くない砂丘にクマが出てもおかしくはありません。
鳥取砂丘は、中国山地の花崗岩が風化して千代(せんだい)川によって海に運ばれ、それが風で海岸に吹き寄せられて作られました。私達が遊んだ戦後すぐの頃は、砂丘は手つかずのままで大きな防砂林もなく、砂丘の規模も今よりずっと大きく迫力がありました。その後、農地や観光の開発が進み、おなじみのラクダが入ってきたり、砂の美術館が出来たりしました。
今回の新型コロナの流行で観光客が激減して、クマもふらふらと砂丘まで出てきたのでしょうか。ラクダには申し訳ないけれど、クマはこの地域本来の生物です。そして、何かのきっかけで人が減れば彼らが代わりに出てくる。そのことを教えてくれるニュースです。