わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

足守川に 架かるこの橋 何か変!? (岡山県岡山市足守 水彩スケッチ)

2015年3月

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スケッチのグループで岡山市の北西に位置する足守の町に来ました。木下家ゆかりの土地で、緒方洪庵や木下利玄が生まれた場所として有名です。丁度今は雛祭りで、足守の古い商家や武家屋敷、それに普通の民家がそれぞれ自慢の雛人形を表に出したり部屋に飾ったりして一般に公開しています。それを目当てに訪れる人もそれなりに多く、いつも静かな町が、明るく華やかな、何とも言えない雰囲気に包まれています。


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今日はやや気温が低いものの、時折空の雲が切れて明るい陽の光も差す陽氣でした。この昔ながらの町並みも魅力があるのですが、私は足守川の風情が好きなので、これを描くことにしました。この足守川、その昔、下流にある備中高松城豊臣秀吉の軍師黒田官兵衛が水攻めした時に、この川の水をせき止めて備中高松城の包囲に使ったことで知られています。普段は何ということのない小さな川なのですが、梅雨時には大きな水量になり、過去には氾濫したこともあります。

 

この川を見ると、少なくとも足守付近は護岸工事がなされていなくて、今でも自然のままです。足守とはひょっとしたら葦が河原に沢山生えていたところから付いた名前かもしれませんね。この川はこのように自然の状態がよく保たれていて、夏にはホタルが飛び交う川としても有名です。川岸に植物が多いせいで、その浄化作用で水質も良好に保たれているのでしょう。また、備中高松は有機農法で有名な場所で、農薬を多用しない農業を実践している農家がこのあたりには多いはずです。農薬を使うと田んぼの昆虫や水生動物は一変で激減しますものね。

 
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さて、今日はこの足守の町の玄関口、足守川に架かる葵橋(あおいばし)を描きました。最初は日がよく差していたのですが、途中から曇り空になり北風が強くなりました。今日の失敗はスケッチブックを固定する厚紙とクリップを忘れたことです。私はF6の見開きでよく描くのですが、その時にはイーゼルを立てて厚紙(使用済みスケッチブックの裏表紙)を2枚程度背中に置いてからF6の水彩スケッチブックを見開きになるように広げます。その時、クリップでスケッチブックを厚紙に上下左右4箇所固定するのですが(これがないとスケッチブックが不安定ですごく描きにくくなります)、今日は厚紙もクリップもどちらも持ってくるのをすっかり忘れていました。それで強い北風にスケッチブックがあおられることになり、描きにくくてかなり困りました。


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それでも何とか2時間半で描き終わりました。すぐ近くの民家の方が時々絵を見に来て、出来上がりをほめて下さいました。自分でもそれなりに満足して、道具を片付けて帰りました。自宅に帰って、さあもう一度絵をゆっくり眺めてみようとスケッチブックを広げて、しばらくして、「わあ~!」と思わず頭の中が真っ白になりました。橋の欄干の横木の数が右(手前)は3本、左(向こう側)は2本です。「わあ~、とんでもない間違いをしてる!我ながら情けない!」と本当がっくり。しかし、念のため今日撮った写真を見ると、確かに橋の左右の欄干の横木の数が違うのです!! こんなことってあるの?? 本当に不思議な橋です。えらくいい加減というかなんというか。面白い橋ですね。今度ここに行ったら市役所の支所の人になぜこうなったのか経緯を聞いてみます。


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