わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

沢山の ニーハオ シェシェ ありがとう (北海道 富良野市 四季彩の丘 水彩スケッチ)

20138


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夏休みを月末にずらして、北海道の富良野を描くスケッチツアーに参加しました。東京のホテルに前夜から泊り、翌朝、羽田空港に出発の3時間前の8時から来て、待機しました。何しろこんな本格的なツアーに参加するのは生まれて初めてなので、緊張していました。国内はもちろんですが(私の地元の日帰りバススケッチツアーは除いて)、海外もこれまで一度もツアーに参加したことはありません。



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 さて、予定の集合時間近くになるとツアー添乗員のOさんが受付の場所に来てくださいました。やさしそうなおっとりした若い女性で、話していて緊張がほぐれました。今日は22名の参加者とか。どんな人が来るんだろう、講師のO先生は、本の写真で知ってはいるのですが、どんな人なんだろうと、大変楽しみでした。O先生らしい人が空港の待合室で駐機場の飛行機をスケッチされているのを見つけて、「わあ、絵描きさんってどこでも絵を描くんだ。さすがだなあ」と感心。そう言えば、我々だって仕事の資料や本を、普段は空港の待合室でも新幹線の中でも、通勤のバスや電車の中でも広げて読んでますね。要するに、仕事のプロになるには、このような努力が欠かせないわけです。

 

午前11時過ぎ羽田発、1250分に旭川着。飛行機の隣席の初対面の人ともすぐに楽しく会話が出来ました。飛行機の窓から見える景色はさすがに北海道。広々としています。旭川に来るのはほとんど20年ぶり位でしょうか。そして富良野に来るのもこれが2回目で、やはり20年ぶりです。その時は千歳空港からレンタカーを借りて富良野に来ました。

 

旭川空港から座席のゆったりとした大型バスに乗り換えて、1時間ほどで富良野の「四季彩の丘」到着。ここは観光農園のようです。園内は起伏のある丘の中に色とりどりの秋の花が咲き乱れています。そうです。ここはもう秋なんですね。今日の天気は生憎の曇り。スケッチを始めた午後2時頃には、ぽつんと雨粒が落ちはじめました。しかし、空はところどころ青空があり、明るい感じです。初めにO先生のスケッチのデモンストレーション(実際に絵を描いて参加しに見せる)が30分ほどあり、それからスケッチ開始。O先生の絵は色彩が明るく自由なタッチです。折角の機会なので、O先生の絵のいい所を学んで、自分の絵に取り込めればと思いました。ただ、O先生の絵は私の絵とは絵の個性が全然違うし、今回は先生の真似をしようとしないで、自分のやりかたで今まで通り描く、と心に決めていました。正直に言うと、 今回の旅では、「先生から学ぶ」というより、「先生や参加者の皆さんに私の絵を見て頂く」という心理の方が強かったですね。



気温は25度。暑くもなく寒くもなく、ちょうどいい加減です。猛暑の西日本から来ると、本当に天国のようなところですね。それとこの大地の広さは格別です。自然の豊かさを感じます。少し歩いて、なだらかな起伏のある丘の全景が眺められる場所を探して、イーゼルを立てました。今回もいつものように立って描きました。私の絵は勢いで描く絵なので、座って落ち着いていると、絵に勢いが無くなります。前に行ったり後ろに下がったり、横に動いたり腰をかがめたり。これが絵に勢いと動きをつけます。最近、これに気が付き始めました。
 
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眺めのいい所で立ってスケッチを始めると、すぐにギャラリーに囲まれました。この、ギャラリーに絵を見られることには、最近は随分慣れてきました。私も度胸がついたものです。グループで一緒にスケッチをするというのも、やはり恥ずかしさを捨てる助けになります。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というのと同じ心理ですね。いろいろな人が絵を見てくれたのですが、今日は外国人が多かったです。特に中国語がよく耳に入りました。台湾や中国本土からの観光客が沢山富良野に来ているようです。カメラをもった人たちは、富良野の広大な風景とともに、私たちスケッチをする人を被写体にするのが好きなようです。ニーハオ、シェシェ、中国語はこれしか分からないので、絵を見に来てくれた人達にはこの二言だけで対応です。


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富良野の大地を描くのは楽しかったです。やはり、この広さはすばらしいですね。今日は全く知らない人達と一緒のスケッチだったので、かなり緊張してしまい、O先生がよく強調される「光の部分」にはかなり気を使ったのですが、影をつける作業をすっ飛ばしてしまい、自分でもすごく緊張しているなあ、と思いながらのスケッチでした。O先生からも初めに「パノラマですか」と声をかけて頂きました。 また、スケッチが出来上がる頃に「広い風景の中では、森や林、そして木々の緑に濃淡・強弱をつけることで、風景に遠近感が出る」、とのコメントもいただきました。確かにその通りだと思います。夏の季節、緑が特に画面の大きい部分を占める時の緑の扱いは一番難しいですね。


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 午後4時半。雨が本降りとなり、予定を早めてバスでホテルへ。バスから見える田んぼの稲穂。もう黄色なのでびっくり。それにしても北国は秋が早いなあ。今日のホテルは富良野の山間にある立派なホテルです。部屋はツインを一人で使用する贅沢。夕食時には、参加した人たちと、絵の話題で盛り上がりました。参加した男性私を含めて6人、皆それぞれに絵へ思いが強く感じられました。皆、私より年配なのですが、頭がクリアーで、何にでも挑戦する意欲的な人が多いので感心しました。明日は予想に反して雨の天気予報。さあ、何とか一日天気であって欲しいものです。