わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

北国の 夏を惜しむや 牛の声 (北海道上川郡美瑛町 ファームズ千代田 水彩スケッチ)

20138

 

北海道富良野旅行の2日目です。天気は不安定で、晴れ間が見えたかと思うと急にザーッと雨が降ってきます。気温も最低気温が15度、最高気温が23度、明け方はやや肌寒さを感じるぐらいでした。午前中は雨が降ったりやんだりの天候が予想されたので、バイキングの朝食後、各自ホテルにとどまって自由にスケッチすることになり、私はホテルの5階の部屋から遠くの景色をスケッチしました。空は明るく、いろいろな形をした雲が流れて行きます。午後からは晴れの予報です。「雲はほんとに天才だなあ」、と刻々と形を変える雲にしばし見とれました。遠景の山脈には白い雲がかかっています。


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部屋からのスケッチはとにかく楽です。水もトイレも心配ないので、ゆったりとした気分で描きました。部屋の中ではさすがにF6の見開きという訳にはいかないので、F4 (ウオーターフォード 中目) に描きました。部屋の掃除の方が二人入ってこられて、ベッドメーキングや床の掃除機がけなどをされたのですが、富良野の景色の話やホテルのお仕事のことなど、短いながらも楽しい会話が出来ました。


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そして午後は、美瑛町のファームズ千代田に行きました。ここは、ふれあい牧場や体験ファームなどがあり、身近にジャージー牛などの放牧を見ることが出来ます。牛が気持ちよさそうに草を食むのを見て、昔若い頃に訪れたことのあるスコットランドの農村風景を思い出しました。このファームズ千代田ではかなり広大な敷地で、牛を自由に放牧しています。「ムオー」という牛の鳴き声が時々聞こえてきます。今日は晴れ間が出ているのですが、時折風や雨が来るあいにくの天気なので、これまでの野外スケッチの経験で学んだ鉄則「雨の時は無理せず屋根の下へ」を守って、牧場の一番高い場所である千代田の丘の見晴らし台の2階でスケッチすることにしました。男性4人だけがここでスケッチし、他の人達は丘の他の場所でそれぞれスケッチを始めています。牧場を間近に見ながら遠くの山並みを望むことができる素晴らしい景色です。これはF6見開きにぴったりです。1時間ほどスケッチをしたところで、急に雨が降り始め、風も吹いたのですが、またすぐにやみました。ここは雨が降っても大丈夫。いい場所を選びました。


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 雨が降り始めた時に、O先生が見晴らし台の屋根の下に避難してこられて、私のすぐ横で、牧場の牛のスケッチを始められました。「うーん、先生が横におられるとさすがに緊張するなあ」と最初は思ったのですが、私は平常心で自分の絵に集中。時折、斜め前の先生の絵の進み具合を時々気にしながらのスケッチ。「先生と並んでスケッチかあ...」。こんな偶然もあるんですね。幸せいっぱいの時間でした。


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トイレに行きたくなったので、少し早めに道具をしまって丘を下り、レストランの方へ行きました。このレストランでは牧場でできた乳製品などを販売していたようですが、それに気が付かなかったのが残念でした。早めにバスの前に着いたので、スケッチの仲間の女性の人達と会話。出来上がったばかりの絵をお見せしました。ついでに、ブログの宣伝も。この人たちに紹介したのですが、私はいつもラングトンF6(中目)水彩紙に見開きで描きます。下書きはまず形をとるために2Bの平らな芯の鉛筆で薄く線描きをし、その線を頼りに、ペンテル青墨筆ペンで一気に線を描いていきます。普通の筆ペンですと、墨が水に流れてしまいますが、この筆ペンだと大丈夫です。この時の筆ペンの勢いが大事で、「描きたい描きたい」という気持ちが現れるように、細部にはこだわらずどんどん描いていきます。失敗しても直せないので、勢いよく、しかし慎重に筆ペンで描いていきます。筆のいい所は、線の太さを自由に変えられるところです。一応線描きができたら、次は彩色。Winsor & Newton Daler-Rowneyの2種類の固形水彩絵の具を使います。使っているうちに、自分の好きな色がだんだんと分かってきました。メーカーで色も少しずつ違うんですね。筆は比較的高級と言われている水彩用の筆と、日本画の隈取筆です。最近は水彩用も日本画用も、平筆が便利だなあ、と感じています。

 
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夕方、ホテルに帰って、まず30分ほど全体の講評会。各自自己紹介もしました。参加者はほとんど東京近辺の人でした。そして、いつもO先生の講座を受講されているか、ツアーに何度も参加されている方が多いようです、そのせいか、皆さんの絵は大なり小なりO先生の絵の影響を受けた絵が多かったように思います。それだけO先生の絵が魅力的な訳ですね。

 

講評会の後、夕食。男性6人がひとかたまりの楽しい夕食でした。絵の話ばかりの夕食も実に刺激的で面白いですね。全然絵とは関係のない分野で仕事をしている私にとっては、これは初めての経験です。それに夕食の終わりごろにO先生にテーブルに来ていただいて、さらに興味深いお話が聞けました。もっといろいろ話したかったのですが、時間が来てしまいお開きに。今日もいい一日でした。思い切って遠方からでも来てよかった、しみじみ思いました。