わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

源流の 滝のしぶきが 宙に舞い (岡山県真庭郡新庄村 不動滝 水彩スケッチ)

20138


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 バススケッチで岡山県旭川源流、不動滝をスケッチする旅に参加しました。滝は「滝のような雨」とか「滝のような汗」とか、夏と結びつけられることが多いですね。古来、滝は日本人の信仰の対象でした。不動滝と呼ばれる滝が全国に沢山あって、これもその一つです。夏は滝を見るのに最適な季節です。やはり滝のそばは涼しさがいっぱいです。周りの暑さを忘れて、スケッチを楽しみました。

 

最近は、水の風景を描くのが好きです。滝も水なのですが、緩やかに動いている川や湖と違って、堂々と流れ落ちる滝を描くのは難しいです。「滝の水の流れを水彩紙の白で残す」、と言うのは当然ですが、周りの岩の暗さを描かないと、滝の白が引き立ちません。それと滝壺や周囲の水の色、波の部分の光の反射など、難しい要素が沢山あります。「滝の周囲や滝の水から透けて見える岩の表情が大事です」とバスの中で講師の先生に言われていたので、それを意識して描きました。それと、手前の岩の表情も大事です。生い茂る夏の木々の間から木漏れ日が岩にあたってきれいです。それも描きたいなあ、と今日は課題満載のスケッチでした。今日はたまたま、男滝を描きましたが、女滝もあって、スケッチの参加者のほとんどはそちらの方を描いていました。私と一緒に男滝を描いている男性がいたので、その人の後ろ姿も入れました。この人物が入ることによって、絵に面白味が出たとおもいます。実は今日は、真っ先にこの人物のスケッチをしました。


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 滝のそばでは、流れ落ちる水が空中に舞って、湿度が高く、水彩絵の具がなかなか乾きません。つい急いで色を重ねていくと、雨天の時のように色が混ざって透明感がなくなります。まあ、でもそれも臨場感を引き出すためにはよいのかもしれません。澄み切った空のもとで描いたような明るい乾いた滝の絵は、日本の風景としてはやはり変ですものね。水煙が立ちのぼって、それで周囲の樹木が濡れて、全体に湿度と冷気が満ちているこの風景を描きたい。


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滝には時々、カメラをもった人や若い人たちが訪れていました。若い女性が二人で足を水につけて楽しんでいました。こういうところで、水につかりながら、友達とのんびり語らうというのはいいですね。

 

3時間かけて絵を描き終わって、参加者全員の絵を見ながら先生の講評をいただきました。皆さん、自分の個性でいい絵を描かれていました。バススケッチの常連のOさん。84歳の女性ですが、高齢者とは思えないペン画の若々しい絵です(今日は腕をまくって上腕二頭筋見せてくださいました。すごい若さ! 元気!)。全体の絵をみると、水の白さを強調しすぎた絵が比較的多くて、それがすこし気になりました。ガッシュの白は便利ですが、使いすぎると、白さだけが目立って、全体の絵のバランスを崩すとおもいます。できれば初めから計算して、水彩紙の白を残したい。これが水彩の絵の難しい所ですね。画面の中の白の配置と量。これも大事です。水彩は、つまるところ「光と影をどう表現するか」にかかっていますね。最近、これが分かってきました。


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帰りはバスが新庄村の道の駅に立ち寄りました。そこで、新庄村の名物の「ひめのもち」というもち米でできた玄米のお餅と甘酒を買いました。帰宅後、家族と頂きましたが、どちらも味は見事、秀逸。今や、田舎の暮らしの方が都会の暮らしよりずっと豊かです。



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