わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

早朝の 川面に響く キャッチ アンド ロー (島根県松江市大橋川水彩スケッチ)

20137


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島根県松江市に来ました。朝早く駅前のホテルを出て、大橋川の宍道湖遊覧船の船着き場から対岸をスケッチしました。スケッチ開始は朝7時半。あいにくの小雨です。船着場には机とベンチが並んだ屋根つきの広い場所がありましたので、そこにイーゼルを立ててスケッチを始めました。日曜日ですが、雨降りなので、朝の散歩をする人も余りいません。ベンチの机の上に水彩道具をひろげさせてもらって、時折スケッチブックに降りかかる雨をぬぐいながらのスケッチです。空は明るい雲が覆っています。


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大橋側沿いには、昔ながらの古い家並みが続いています。どこを描いても絵になるのですが、よく描かれる有名な松江大橋の近くの風景は、今回はあえて描きませんでした。今回描いたのは、松江大橋の次にかけられた松江新大橋です。大橋川には昭和30年代までは2本の橋しか無かったのですが、その後次々と架橋が進み、現在は5本の橋がかかっているようです。朝早く、この大橋川を通って西の宍道湖に向かって(私の水彩画では画面の左に向かって)何艘ものシジミ採りの舟が出かけていくのですが、今日は休みなのか、舟の動きは見えません。その代り、早朝からボートの練習をする若者達のオールをこぐ音とコックスの「キャッチ アンド ロー」(オールで水をとらえて! そして 漕いで!)の掛け声が、川面に響いていました。


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 今日は雨の中を絵を見に来て下さる人がいました。近所の奥さんで、私が絵を描いているのを、通りの向こうのお宅の窓から見られて、話しかけてこられました。この方は水彩画を先生について習っておられるようで、しばらくあれこれと水彩画の話をして、楽しく時間が過ぎました。そのあと、遊覧船に乗る若い女2人も絵を見てくれました。「プロですか?」との質問に、「いいえ、趣味で旅行中にスケッチしています」と答えました。「プロですか?」と聞かれると、正直うれしくて顔がゆるみますね。アマチュアにはプロとは違う自由さがあります。自分の好きな絵を、人の評価を気にしないで、好きなように描けます。


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昨晩、ホテルの近くの小料理屋で夕食を食べたのですが、そこでもおかみさんと絵の話になって、その方の描かれた絵も見せて頂きました。絵を通して見ず知らずの人と楽しい会話ができるのは本当にいいです。私は、若い頃からいわゆる飲み屋さんなどに一人で出かけるのが非常に苦手で、そのような場所にはほとんど行ったことがありません。苦手な理由は、アルコールが余り飲めないことと、楽しい会話ができないからなのですが、最近は、水彩画をやっているせいで、絵の話になると、どんな人とでも話ができることに気が付きました。それで、食堂でも、土産物屋さんでも、ちらっと私が描いたばかりの絵を見せてあげて、会話をするようにしています。人生って、人とのつながりがあって、初めて、生き生きするものですよね。


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今日の水彩画スケッチは10時に終了。「水郷松江」を満喫した2時間半のスケッチでした。昼になると雨もあがり、空も明るくなりました。