わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

スタバなど なくても いいよ この町に (鳥取県米子市 水彩スケッチ)

20135


イメージ 1


スターバックスコーヒーの店舗が最近やっと出来たとマスコミに騒がれた島根県松江市の東に位置し,スターバックスの店舗がまだ無い日本で唯一の県,鳥取県米子市に来ました。「砂場はあるけどスタバはない」とマスコミに揶揄された鳥取県です。ちなみに,島根県鳥取県の位置関係が分からない人のために書きますと,山陰地方の二つの県のうち,西が島根(江戸時代の国割りで出雲と石見),東が鳥取因幡伯耆)です。



イメージ 2

イメージ 3


朝早くホテルを出て,5時過ぎから米子市内を歩きました。米子市鳥取県西部の人14万人の比較的大きな街です。鳥取県の東部に県庁所在地である人口約20万人の鳥取市があり,この鳥取と米子の二つが鳥取県の代表的な市です。JR米子駅前から,人通りのない昔の繁華街・駅前商店街を抜けると,米子港方面に向けて落ち着いた静かな町並みが続きます。「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に「米子下町と彫刻ロードをたどるみち(10km)」として選ばれています。この町並みを歩いて,その途中で,加茂川沿いに立つ「後藤家」をスケッチしました。

 

後藤家は,江戸時代にこの地方の回船問屋をやっていた商家で,その大きくて見事な屋敷が国指定重要文化財になっています。米子港がすぐ近くなので,その昔,加茂川を使っての荷物の輸送や商売を手がけ,大いに繁栄したのでしょう。橋の横から川岸に降りる石段があったので,そこを降りて川岸に並ぶ民家の軒先に腰を下ろさせてもらって,対岸の後藤家の屋敷をスケッチしました。この家は,一般公開はされていないようです。家の横に普段の生活に使われている埃をかぶった自転車などが置いてあるのが印象的でした。日中は,加茂川を下って中海を巡る観光遊覧の小舟も運航されているようです。


イメージ 4

イメージ 5

 

天気予報では朝は曇り時々雨で、午後からは雨が強くなるということだったので,早朝のスケッチになりました。静かに流れる川には時々水鳥も泳いでいて,のどかな風景でした。静かな朝,時々,川に沿って水面すれすれに飛んでくるサギの大きな羽音に驚かされました。後藤家の建物は,主要な建物の屋根瓦の黒と,それをつなぐ建物の赤瓦の組み合わせがきれいで,何となく江戸時代の職人さんの美意識が感じられます。スケッチを始めてすぐにぽつりぽつりと雨が降り出したので,慌てて傘を取り出して,傘を差しながらのスケッチとなりました。雨のスケッチもこれまで何度か経験して,だいぶ慣れました。雨が止みそうにないので,今日は残念ながらここでおしまいかな,と思ながら,それでも諦めずにスケッチを続けているうちに,やがて雨が一時上がり,スケッチが完成しました。


イメージ 6

 

駅前のホテルへの帰り道,静かな通りの中に古い駄菓子屋さんがあったので,店の外と店内の写真を撮らせてもらいました。こういう店がひっそりと残っている町はいいですね。


イメージ 7

イメージ 8


ホテルに帰って朝食を食べ,ホテルをチェックアウトして通りに出ると,もう本降りの雨でした。ほんのわずかの朝の時間に,よい気持ちでスケッチができ,幸せでした。