わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

潮風と 海の香りの 無人駅 (鳥取県西伯郡 御来屋駅水彩スケッチ)

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JR山陰本線米子駅から普通列車で東,鳥取方面へ向かい,6つ目の駅が御来屋(みくりや)駅です。山陰最古の駅として,鉄道ファンに知られています。明治時代に作られた木造駅舎が今でも使われています。米子駅から乗った2両編成の鳥取行きの列車はワンマンカーで,週末で,地元の人たちの他に旅行者もちらほらと見られました。ワンマンカーは無人駅では2両目の車両のドアが開きません。1両目の前側,運転手のいる近くのドアから降りるのですが,慣れないと,駅に着いてもドアが開かず慌てます。車内の案内放送(録音)が聞き取りにくいと,田舎なので車内の電光表示板も無く,旅行者はやや不安になります。しかし,多少乗り降りにもたもたしても,運転手さんがゆっくり待ってくれるところが,田舎の鉄道のいいところです。運転席に立つJRの運転手さんは比較的若い人が多いのですが,多分電車(列車)の運転が大好きで,また,地元の人の生活を支えている誇りがあるのでしょうね。客席から見える運転操作は,リズミカルで,きびきびしています。日本の鉄道の維持・管理のすばらしさ(人とシステムのすばらしさ)を,都会はもちろんですが,田舎の小さな鉄道でも感じます。

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御来屋駅無人駅ですが,何となくほっとする暖かさの感じられる駅です。待合室のベンチにはすべてお手製の座布団がかけられており,地元住民の皆さんの駅を大事にする気持ちが伝わってきます。この御来屋駅は,「美しい日本の歩きたくなるみち500選」の中の「太平記の舞台・潮風のみち(14km)」の起点になるところです。後醍醐天皇伯耆国の豪族・名和長年(なわ・ながとし)に関する史跡の多いコースです。丁度訪れた時間が夕方の4時過ぎだったので,コースを歩くのは時間があれば少しだけということにして,すぐに駅の前に座ってスケッチをしました。田舎の駅でもこの時間帯に1時間に上りと下りで各1本列車が停車し,パラパラと乗降客がありました。駅前通りと言っても近くの農家や漁業の人の車が時々通るぐらいの狭い田舎道です。絵を描いていると,自転車の中学生が絵をのぞき込んで,「立体的に見えます」と話かけてくれ,また,路のど真ん中に軽トラックを止めて,わざわざ絵を見に来てくれるおじさんもいました。交通量が少ないので,路に車を止めても問題なしです。

 
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スケッチを終えて,駅から歩いて20分ほどの日本海を見に行きました。夕日が沈む漁港。これも絵になりそうです。遠くに風力発電の大型風車が何基も見えます。ちょっとこの風車群は折角の日本海の景観を損なう可能性もあります。この辺りの民家には黒屋根の古い家が多く,昔ながらの見事な町並みが残っているそうです。是非また機会があれば歩きに来たいところです。夕方6時。まだ明るさの残る駅に戻って,帰りの列車を待ちました。

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